慢性便秘だと思っていたら、病気がかくれていたなんて事も!
腸の中に便がたまっていると、悪玉菌が優勢になって、発酵ではなく腐敗を起こすことがあります。
腸内環境が乱れると、炎症を起こしたり、腸の病気のリスクを上げる事になります。
病気だから便秘になるのか、便秘だから病気になるのか・・・
- 便秘と十二指腸潰瘍の関係
- 十二指腸潰瘍の症状チェック
についてまとめていきます。
十二指腸潰瘍になると便秘になるワケ
食べ物は胃⇒十二指腸⇒小腸と
人は口から食べたものを、胃の中で消化してドロドロになったものを十二指腸に送り込みます。
ところが、十二指腸に潰瘍が出来て働きが鈍っていたらどうでしょう?
受け入れ体勢が整っていないので、十二指腸に進むべき消化物が先に進みませんね。
十二指腸の不調は胃に食べ物が停滞
十二指腸に不調があると胃の中に食べ物が停滞して、消化が進みません。
胃に異常が無いのに、胃がもたれるような、食欲がわかないような不調を感じます。
ここで注意したいのは、”調子が悪いから胃腸薬を飲もう”だなんて、安易に市販薬に頼ることです。
胃薬のタイプはざっくり分けてこの3つです。
- pHで日和見に働くタイプ
- 胃酸を抑えるタイプ
- 胃酸をだして消化を活発にするタイプ
消化を活発にするタイプの市販薬を飲んだら、胃酸が出て潰瘍を刺激してしまうでしょう。
十二指腸潰瘍の病院での治療では・・・
- ピロリ菌除菌剤
- H2ブロッカー(胃酸の濃度を上げすぎない)
- プロスタグランジン製剤(粘膜を増やして保護する)
といった薬が使われます。
胃で食べ物が停滞しているからと言って、いきなり胃酸をだして消化を活発にする薬を使う事はありません。
便の材料が大腸に届かない
十二指腸潰瘍が原因で起こる便秘は、消化が進まない事で、大腸に便の材料が十分に送り込まれないことによるものです。
食欲が落ちてくると、食事の量そのものも減ってしまいますし、健康な便を作る事が出来なくなってしまうのです。
このため、便のたまる感覚が開いて便秘がちになります。
大腸の働きの異常が引き起こす便秘ではありませんから、刺激性の便秘薬を飲むと下痢になることが多く、一般的な便秘対策がちっとも効かないと感じるのです。
繊維たっぷりは絶対NG!
十二指腸潰瘍の場合、不溶性食物繊維をたっぷり摂るのはNGです。
消化能力が落ちているのに、消化しにくいものがどんどん入ってきたら、ますます対処仕切れなくなってしまいます。
生産能力を超えた材料を投入された工場ラインと同じです。
排便のリズムが悪い事を気にして、根菜類ばかり食べていると、胃腸に負担がかかって症状を悪化させる可能性があります。
水溶性食物繊維を含んでいて消化のよい山芋や寒天などにしておくのが良いでしょう。
十二指腸潰瘍で起こる便秘の特徴は?
お腹がすくと腹痛・食べるとやわらぐ
胃酸の濃度が濃くなる空腹時に痛みが強くなります。
夜寝ているときにお腹の右上が痛みませんか?
水を飲んだり、何か食べて、胃酸が薄まると痛みがやわらぐのが特徴です。
食欲がわかない
胃に食べ物が長く停滞するので、空腹を感じにくくなります。
十二指腸の働きが悪い事で、消化が進まないからです。
右上腹部・背中や腰が痛む
胃と小腸をつなぐ十二指腸に潰瘍が出来て痛む場合、右上腹部ばかりでなく、背中や腰が痛くなることも多いです。
背中や腰が痛い場合、マッサージをして痛む場所の筋肉をほぐしても痛みに変化がない場合は要注意です。
吐血・下血
十二指腸潰瘍は、粘膜が傷ついて潰瘍を作り、出血している事も多いものです。
このため、吐いたときにコーヒーかすのような褐色の嘔吐物がでたり、海苔の佃煮のような黒くてモロモロとした便が出やすいのです。
十二指腸潰瘍で起こる便秘の対策は?
消化の良いヌルヌル食材を選ぶ
一般的な便秘と同じ対処法で症状を悪化させる恐れがあります。
消化の良いヌルヌル食材を食べ、胃酸過多を起こさせるコーヒーなどの刺激物を控えましょう。
十二指腸潰瘍の症状がハッキリしている場合には、すぐに病院で検査を受けた方が良いですが、便秘を気にして刺激性の便秘薬を飲むことや、消化促進タイプの胃薬を飲むのはやめましょう。
消化器に負担をかけないことを重視しましょう。
ストレスを発散してゆったり過ごす
十二指腸の潰瘍も、大腸の動きも、ストレスの影響を強く受けます。
ストレスを発散してゆったり過ごすと、潰瘍の悪化を防ぎ、便秘防止にも役立ちます。
病院にかかり十二指腸潰瘍の治療をする
便秘のほかに、 みぞおちのあたりが空腹時に痛むなど気になる症状があるなら、病院でしっかり治療しましょう。
症状にあった薬の服用で十二指腸潰瘍が良くなれば、便秘も改善しやすくなります。
まとめ
一般的な便秘対策が効かない+みぞおちの右の痛みは十二指腸潰瘍かも!
十二指腸潰瘍が原因で便秘が起きている場合に避けたいのは・・・
- 食物繊維の取りすぎ
- 自己判断で市販薬を飲むこと
しつこい便秘のほかに、空腹時のみぞおち右側の痛みがある場合には、十二指腸潰瘍の検査を受けて適切な治療を受けましょう。