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「動くと胃が痛い」は危険サイン!早期発見の為の原因10ケース

動くと胃が痛い、歩くとお腹に痛みが響く…

実はこの痛み方は危険サイン。今すぐ医療機関にかかった方が良い場合があります。

どんな病気も早期発見、早期治療がカギ。発見が遅れると手術が必要になることも。

今回は、自分の症状は緊急性があるもの?ないもの?そんな判断が出来るよう「動いたときや歩いたときに胃が痛む疾患」のそれぞれの特徴をご紹介します。

自分がどんな疾患に当てはまるかしっかりと見極め、正しい対処をしましょう。

動くと胃が痛い原因とは

動くと胃が痛い原因と一口に言っても、様々な疾患があります。

まずは、動くと胃が痛いといった症状が出る中でも緊急性の高い疾患からご紹介していきます。

自分の症状が当てはまるという場合は、救急外来を受診する事をお勧めします。

虫垂炎(緊急度★★★)

虫垂炎とは

虫垂炎(ちゅうすいえん)とは虫垂に化膿性の炎症が起こる病気です。

一般的に「盲腸」という俗称で呼ばれています。

虫垂炎の症状

  • みぞおちの激しい痛み
  • 時間が経つと右下腹部に痛みが移動してくる
  • 吐き気、嘔吐
  • 食欲不振
  • 発熱(37~38℃)

★Point

虫垂炎は似た症状が出る疾患がとても多いため、見逃されるケースがあります。

下記は虫垂炎の特徴です。当てはまらないかチェックしましょう。

  • ジャンプして着地したときなどの衝撃・振動で痛みが響く
  • 右下腹部を押してパッと手を放すと、押さえていた時より強い痛みが出る(反跳痛
  • 下痢を伴わない(感染性胃腸炎などとの区別)

虫垂炎は時間経過と共に悪化します。24時間を経過すると虫垂破裂の可能性が生じます。

虫垂が破裂すると腹膜炎を併発。高熱と激痛を伴い、命の危険にさらされることもあります。

 

憩室炎(緊急度★★☆)

憩室とは

憩室(けいしつ)は胃や腸などの内臓の壁面が拡張し、こぶ状の部屋ができたものを指します。

一度できると生涯そこに残ります。

多くの場合は無症状である為、治療の必要はありません。

憩室炎とは

憩室炎(けいしつえん)は、憩室内部に細菌が繁殖して起こる炎症を指します。

憩室炎の多くは大腸憩室に便のつまりなどが生じて起こる大腸憩室炎です。

大腸憩室炎の症状

  • 胃から腸にかけての痛み
  • 圧痛(お腹を押すと痛む、特に右下腹部である事が多い)
  • 反跳痛
  • お腹の張り(膨満感)
  • 便秘
  • 下痢
  • 発熱
  • 血便

★Point

右下腹部に痛みがある場合は虫垂炎を否定できませんが、憩室炎では食欲低下や吐き気・嘔吐は通常認められないと言われていますので、そこである程度の区別が可能です。

重症化していない健康成人であれば、通常は外来治療で治癒できます。早め早めの受診を心がけましょう。

憩室炎が進行すると穿孔(せんこう(穴が開くこと))、穿孔性腹膜炎を発症する場合もあります。

 

その他(緊急度★☆☆)

比較的、緊急性の高くないものでも、動くと胃が痛いといった辛い症状が出る場合があります。

(緊急性が高くない=病院に行かなくても大丈夫という意味ではないのでご注意を!)

急性胃炎

様々な原因から胃の粘膜が炎症を起こし、突然キリキリと痛みます。

急性胃炎を繰り返していると慢性胃炎になってしまいますので、胃炎の根本原因から取り除く事が大切です。

胃・十二指腸潰瘍

胃潰瘍は食後に、十二指腸潰瘍は空腹時に特に胃が痛むという特徴があります。

衝撃が響くと言う痛み方ではありませんが、症状が重い場合は歩くのも辛い状態に。

よくあるのが、胃カメラを飲むのが怖くて病院へ行くことを躊躇ってしまい重症化するケース。

痛みが続く場合は、無理せず早めに医療機関にかかり、適切な診断・治療を受けましょう。

こんな痛み方はすぐ病院へ!

ここまで、動くと胃が痛いといった症状が出る主な疾患をご紹介しました。

ここからは「危険な痛み方」の特徴と、その代表的な疾患をご紹介します。

こんな痛み方をした場合は、速やかに医療機関へかかる事をお勧めします。

 

歩いたり、振動が加わるとお腹の痛みに響く

腹膜炎

この症状で一番怖いのが腹膜炎です。

腹膜炎は他の消化器がなんらかの病気にかかったときに合併症として起こる病気で、虫垂炎や憩室炎などの重症化によっても併発します。

お腹の激痛を伴い、振動が痛みに響く他、下記のような症状が出ます。

  • 発熱(高熱)
  • 悪心(みぞおちや胸の不快感)
  • 嘔吐
  • 頻脈
  • 浅い呼吸

 

何の前触れもなく強く痛む

狭心症・心筋梗塞

突然胃が強く痛んだ場合、胃の病気ではない場合があります。

これは痛みの原因となる内臓と胃が近い為、脳が胃の異常と誤認して起こります。

よくあるケースが狭心症や心筋梗塞よる胃の痛みです。これには下記のような特徴があります。

  • みぞおちや胸が締め付けられるように痛む
  • 胸が重苦しい
  • 背中や左腕が痛い

なお、痛みの強さと重症度は比例しません

狭心症の場合、安静にしていると発作が5~15分くらいで治まるため、安心してしまい見逃す事があるので注意が必要です。

 

激痛

胆石症による疝痛(せんつう)

胆石が胆管を塞ぐと激痛が走ります。これを「疝痛発作」といいます。

食後に症状が出る事が多く、結石の大きさによってはのたうち回るほどの痛みを感じる場合も。

急性膵炎

膵臓は食べ物を消化・分解する酵素を作り出しています。

急性膵炎は、活性化された膵酵素により膵臓自体が消化され、膵臓や周囲の主要な臓器に炎症と障害を引き起こします。

仰向けに寝るように動くと胃が痛い事が多く、膝を抱えて背中を丸めることで痛みがやわらぐのが特徴です。

 

痛みが何時間も治まらない(持続痛)

痛みが6時間以上続く腹痛は、手術が必要な疾患である場合が多いです。

冒頭でご説明した虫垂炎や憩室炎も対処が遅れれば手術が必要になる可能性があります。

他にも腸閉塞(イレウス)などみぞおちに持続痛の症状が見られる危険な病気は沢山あります。

3時間以上、強い痛みが続くようであれば医療機関にかかる事をお勧めします。

 

いつもの腹痛と痛み方が明らかに違う

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内腔にしか存在しないはずの子宮内膜が、骨盤の腹膜や卵巣などの中に入り込んでいる状態です。

胃痛と婦人科系疾患との関係は見過ごされがちですが、子宮内膜症によって胃に癒着が起こると、胃痛を伴う場合があります。

子宮収縮と連動して痛むため、生理が始まると胃の痛みが激しくなるようなら、子宮内膜症を疑ってみて下さい。

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虫垂炎を防ぐには

虫垂炎の原因は様々なものがあります。

  • 細菌、ウイルス感染
  • 暴飲暴食
  • 便秘
  • ストレス
  • 過労

こうして見ると、生活習慣を改善する事は虫垂炎予防に大変有効であると言えますね。

中でも便秘の予防は虫垂炎の予防に直結します。

便秘により出来た、糞石(ふんせき)という便が化石化したもので、虫垂の入口が塞がれて虫垂炎になるケースが多く見受けられるからです。

 

憩室炎を防ぐには

憩室炎は再発しやすい病気でもあります。

一度出来た憩室は生涯なくならない上に、年を重ねるごとに増えていくからです。

大腸憩室炎は便の詰まりが原因で起こる事が多いため、便秘の予防が大切になります。

便秘の人は、元々排便の際にいきんで腹圧が上がるので憩室が出来やすい傾向にあります。

 

まとめ

動くと胃が痛いという症の中でも、特に振動や衝撃が痛みに響くような場合は注意が必要です。

他にもすぐに医療機関にかかった方が良い痛み方をいくつかご紹介しましたが、もちろん当てはまらないからと言って安心して良い訳ではありません。

痛みがあるのであれば何かしらの原因がある事は間違いありません。たかが胃痛と思わず、少しでも不安に思う事があればきちんと医師に相談して下さいね。

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