H2ブロッカーは胃酸を抑えて、胃痛や胃潰瘍に効いてくれるお薬です。
市販薬として認可されているので、薬局で買うことが出来る胃薬にもH2ブロッカー薬があります。
即効性があるので胃酸過多の人にはとても効果が出やすいお薬ですが、副作用はどうなのでしょうか?
H2ブロッカーの副作用、効果や飲み方の注意点などまとめてみたいと思います。
H2ブロッカーの副作用
不整脈・心臓障害
H2ブロッカーは胃酸を抑制して胃痛や胃潰瘍に効果をあらわす薬ですが、ヒスタミン拮抗薬=ヒスタミンの結合をブロックする薬です。
2番目に見つかったヒスタミンということでH2 と呼ばれています。
心筋にもH2があるので、心臓疾患を持っている人は影響を受けやすく、不整脈や心臓障害を起こす副作用が心配されます。
死亡例も報告されていますから、心臓病の人は、H2ブロッカーを避けた方が良いでしょう。
せん妄・認知症症状
ヒスタミンは神経物質でもあるので、神経に影響を与える副作用が出ることがあります。
とくに、高齢者ではせん妄・認知症症状が出ることが知られるようになり、高齢者への投薬ガイドラインでも注意喚起されるようになりました。
アメリカのインディアナ大学加齢研究センターの調査では、認知症症状があらわれた高齢者に、H2ブロッカーの愛用者が多かったと報告されています。
高齢の方の服用は、極力避けたほうが良いですね。
消化器障害
胃酸を抑制する働きがありますから、胃酸過多の人は飲んで30分程度で効果を感じるほど”よく効く”のですが、胃酸の分泌が抑制されることで不足してしまう場合には、消化不良になってしまいます。
十分に消化されずに腸に運ばれてしまうので、分解出来ずに消化物が腐敗したり、そのまま下痢になって排泄され、腸内環境も乱すことになります。
下痢や胸焼け症状が副作用として現れる事があります。
腎障害への禁忌
H2ブロッカーは腎臓で分解されて排泄される薬です。
腎臓に障害がある方は、弱った腎臓に負担をかけることになりますから、飲んではいけない薬です。
H2ブロッカー系の市販薬
ガスター10(第一三共)
知名度が高く、薬局でも見かける事が多いですね。
一般的な制酸剤とくらべて、作用時間が長く、胃酸の出過ぎでツライ症状によく効きます。
アバンZ(大正製薬)
H2ブロッカー成分のラニチジン塩酸塩が63㎎、3種類の制酸剤が配合されています。
胃痛や胸焼けに効果的なお薬です。
ベッセンH2(新新薬工業)
H2ブロッカー成分のファモチジンを1錠中10㎎含んでいます。
胃酸を抑える事で、胃痛、胸やけ、もたれ、むかつきによく効くお薬です。
H2ブロッカーの効果と注意点
よく効くけれど副作用が心配
H2ブロッカーは、胃酸を分泌するしくみを途中で遮断して、胃酸の出過ぎを防ぐ薬です。
ですから、胃酸の分泌を素早く抑える事で胃痛や胸焼けをなおしたい人には、即効性が感じられます。
ところが、胃酸の分泌量が多すぎないときにH2ブロッカーを飲んでしまうと、消化不良をおこしたり、本来の体が持っている消化機能のバランスを崩すことになります。
また、紹介したように心臓への影響、神経症状への影響、腎臓への影響といった重大な副作用が起こる心配があります。
特に高齢者では、従来の健胃薬や整腸剤と同じ感覚で飲んでしまうと、副作用によるデメリットの方が大きくなりかねません。
H2ブロッカー薬は飲み合わせにも注意
お薬の中には飲み合わせに気をつけなければいけないものがあります。
一緒に飲むと効果がを打ち消しあったり、効き過ぎてしまったり、副作用が大きく出たりするからです。
H2ブロッカー薬のシメチジンでは・・・
ワルファリン(血栓予防薬)、高血圧のβ遮断薬、カルシウム拮抗薬との飲み合わせを避けなければいけません。
心臓病、高血圧、腎臓病の持病がある場合は飲んではいけない薬と言えるでしょう。
副作用が心配なら健胃薬を検討
H2ブロッカーは胃酸過多の人がひどい症状を抑えるために使う薬だと思った方が良さそうですね。
胃酸を抑える効果が出やすく、ここ一番で効いてくれそうな感じはありますが、H2ブロッカーの副作用を考えると、「簡単にしょっちゅう飲むのはどうなのかな?」と少し心配です。
ムカムカや胃痛がただの消化不良だった場合、消化液が不足して悪化して腹痛を起こすかもしれません。
普段から飲んで胃の健康を保つには、生薬系の健胃薬を使った方が、副作用の心配もなく、体質改善にもつながると思います。
まとめ
H2ブロッカーは副作用、飲み合わせに注意して服用すべし!
胃腸薬は重大な副作用をおこすイメージが薄いですが、H2ブロッカーは安易に飲み続けるのは危険な副作用を持っています。
胃痛を繰り返す胃痛持ちなら、副作用の心配がない、生薬系の「イツラック」のようなタイプなら、繰り返し続けて飲んでも安心ですね。