扁桃腺腫れて喉の痛みが強くなると、唾を飲み込んだときにキューンとした痛みが耳に走ることがあります。
あるいは、喉の腫れとともに耳の奥が痛むなど、喉の痛みと耳の痛みが一緒にでることは多いですね。
「痛みが耳にまで!」と不安になります。
つらい喉の痛み、耳の痛みの原因と対策についてまとめていきましょう。
扁桃腺炎を起こすと耳まで痛くなるわけとは?
炎症が耳に及んでいる
喉と耳は奥の方でつながっています。
扁桃腺炎は、細菌やウィルスの侵入によって扁桃腺が腫れている状態で、膿をもつことも多いですね。
細菌やウィルスと戦った残骸が”膿栓(のうせん)”となって、扁桃腺に米粒のようにくっついていることもあります。
こうした細菌の増殖が耳の奥に及んで中耳炎を起こすことがあります。
中耳炎の痛みは、炎症で鼓膜が押されることででる痛みですから、炎症が治まるまで痛みが続くケースが多くなっています。
また、炎症が広がっているのでなかなか熱が下がらない事が多いですね。
喉の痛みの放散痛
扁桃腺炎を起こすと唾を飲み込むのもつらいほどの痛みが出ます。
唾を飲み込んだつらい痛みが、耳の奥の神経を刺激したと脳が感じ取ってしまうので、耳まで痛くなるのです。
こうした、体の一部に起きている強い痛みが、神経経路が近い他の部分の痛みと感じてしまうことを”放散痛(ほうさんつう)”と呼びます。
中耳炎と違って喉の痛みと連動して痛みを感じるという特徴があります。
首周辺のリンパが詰まって張っているときにも、キューンとした痛みが出ることがあります。
扁桃腺腫れて耳が痛い!対処法
扁桃腺の腫れが痛みの元となっているので、細菌やウィルスの勢いを止めて炎症を鎮める事がポイントですね。
- 保湿:マスク、加湿器を使う
- 抵抗力(体力)をアップさせる:睡眠を確保する、栄養を摂る(ポタージュ、リンゴのすりおろし、にんにくなど)
- 抗生剤を処方してもらう:病院を受診する
扁桃腺が強く腫れてしまう場合、睡眠不足、栄養のかたより、ストレスがあるなど、体力が低下している状態になっていることが影響しています。
体が酸性に傾いている時にも、こうした炎症が起きがちだといいます。
傷が膿みやすい、白ニキビが出来やすいというときにも、食生活や生活習慣に気をつけたいですね。
中耳炎が疑われる場合
『鼓膜が炎症によって圧力がかかって痛む』のですから、横になっているよりも起きて頭を高くした方がラクになることがあります。
頭部を外気に当てる、冷やしタオルを耳に当てるなど、耳の周りを冷やすのも効果的です。
ただ、感染による炎症が広い範囲で起きてしまっているので、抗生剤を使った治療など、病院にかかっておかないと治りが悪く、繰り返す心配があります。
中耳炎が疑われる痛みが出たら、病院を受診して治療をうけるようにしましょう。
中耳炎が疑われない場合
扁桃腺腫れて耳が痛いのが喉の痛みの放散痛だという場合には、扁桃腺の細菌の増殖を抑えられたら、耳の痛みも無くなります。
キューンとした痛みが耳に走っても、耳そのものには異常が無いケースが多いので心配する事はありません。
まとめ
扁桃炎腫れて耳がいたいとき、中耳炎か喉の放散痛なのか注意してみましょう。
中耳炎の痛みは、横になったり下を向くと感じやすくなります。
こどもの場合には、風邪症状が出始めて急に泣き出すといったときに、中耳炎になっている可能性が高いですね。
体を起こして耳を冷やすとラクになることが多いです。
放散痛の場合には、唾を飲むと耳がキューンと痛くなるなど、喉の痛みに連動して痛みます。
扁桃腺炎は、原因菌に対処する治療をしないと慢性扁桃腺炎になり、腎炎や関節リウマチなどを起こす心配が高くなります。
きちんと病院で治療を受けた方が安心ですね。