お腹の痛みには全体的なものと、決まった場所が痛むものがあり、病気のサインなのかな…と心配ですね。
左腹部や左下腹を押すと痛い場合には、すい臓や婦人科系、大腸に問題が起きている事が多くなっています。
左腹部・下腹部を押すと痛いのはどんなときか知って、あなたの場合にあった対処方法を見つけてみましょう。
左腹部・下腹部が痛くなるのはどんなとき?
一番ありがちなのは便秘
たかが便秘と軽く見る人もいますが、便がたまって水分が抜けてくるととても硬くなります。
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こうした便が大腸にとどまっていると、左下腹のあたりを押すと痛みがでたり、しこり(便)が指先に感じられる事があります。
3日以上、お通じが無いことが頻繁にあるなら、便秘が原因の痛みでしょう。
便は、大腸の中を時計回りに移動していますから、長くとどまって硬くなっている便は、左側にある下行結腸(上図参照)のあたりにたまりやすいのです。
便秘になる理由は以下の通りです。
- 水分が不足していなかったか
- 野菜や繊維質が足りていたか
- 生活が不規則になっていなかったか
- ストレスがたまっていなかったか
そして、仰向けに寝たときにおへその周辺から下腹部にかけて押して痛い、しこりを感じる場合には便秘が原因の痛みだと判断して良いでしょう。
便秘で左腹部が痛むときは?
- ペットボトルにお湯を入れた湯たんぽなどであたためる。
- 仰向けに寝て膝を立て、手のひらで時計回りにお腹をさする。
- スクワット、上体をひねる体操で便秘解消を試みる
- こまめな水分補給
便秘が原因で左腹部が痛むなら、便秘解消法を試して見ましょう。
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脂汗が出るような痛みが続く場合や、痛むところが移動する、吐き気が強い場合には、病院で治療を受けた方が良い病気がかくれているかもしれません。
便秘解消法で痛みが良くならない場合には、診察を受けましょう。
頑固な便秘が腸閉塞を起こすこともありますし、ほかの内臓疾患のサインかもしれません。
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また、潰瘍性大腸炎や過敏性大腸炎でも便通の状態に異常が出て、便秘や下痢を繰り返します
腸がたるんでしまう落下腸を改善するには?
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便秘以外の病気では何が心配?
慢性すい炎・急性すい炎
急性膵炎(すいえん)の場合は炎症が急に進み、みぞおちからへそのあたりまでの腹部が痛みます。
- 頑固な疼痛
- 上腹部を押して痛みを感じる
- 背中をげんこつでたたくと、お腹にひびくように痛む
- 吐き気やおう吐
吐き気やおう吐を伴ったり、背中側や腰が痛いと感じる場合もあります。
慢性膵炎の場合には、ゆっくり症状が進む事が多く、痛みが強く感じられる頃には、すい臓の細胞が破壊されて機能が低下しています。
アルコールの摂取と関係が深く、お酒を飲む機会が多い人は注意が必要です。
最近、自己免疫性すい炎を発症する例が注目され、飲酒しないでも、食後に痛みが出やすい、背中側や腰の痛みを感じる場合には、病院でCT撮影などの検査を受けましょう。
腎臓結石
尿管の中に、尿に溶けきれない物質が結晶になって結石を作ることがあり、腹痛を起こします。
- 脇腹・下腹部に痛みを感じる
- 痛みが移動する
- 脂汗のでる差し込むような痛みを感じる
- 血尿、尿の出にくさがある
脇腹の痛みから、結石が移動するにつれて下腹に痛みが移っていきます。
中には会陰が痛いと感じる方もいます。
疝痛(せんつう)といって、体を折り曲げていないと耐えられないほどの激しい痛みになることがあり、特徴的な症状としてしられています。
尿の出が悪くなると、腎臓の機能低下につながり、老廃物をスムーズに排出出来なくなる腎臓疾患になる事が心配されます。
結石に気付いたところで適切な治療を受けて置いた方が良いでしょう。
卵巣のう腫など婦人科系の病気
女性の場合、下腹痛がある場合に婦人科系の病気が疑われる事があります。
卵巣は左右対称の臓器ですから、左の卵巣に異常がある場合、左下腹部痛、右の卵巣に異常がある場合は右下腹痛となります。
- 下腹痛、押すとしこりや痛み、違和感を感じる
- 生理の周期にあわせて痛みが強くなる
- 状態によってはショックを起こすほどの強い痛みが出る事がある
- 下腹が張っているのに痩せてくる
子宮内膜は、排卵にあわせて厚くなり生理になると剥がれ落ちて経血と一緒に排出されるサイクルを繰り返しています。
周期的に女性ホルモンのサイクルにあわせて増殖する性質を持っているのですが、子宮内膜症の場合、子宮内ではなく、卵巣など本来と違った場所で増殖します。
すると、卵巣のう腫となり、卵巣が腫れて大きくなり押すと痛みを感じたり、生理痛が重くなったりします。
卵管部分がねじれて卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん)を起こすとショック症状を起こすほどの激痛がおこり、緊急手術が必要になることもあります。
生理が重い、痛みが強い時には、婦人科を受診して適切な治療を受けておきましょう。
まとめ
左腹部に起こりやすいのは、便秘、すい炎、腎臓結石、卵巣のう腫など
一番頻度が多いのは、便秘による腹痛です。
食生活はもちろん、生活習慣、ストレスでも便秘は起こりやすく、改善しないまま放置していると腸閉塞を起こすこともあるので、お腹が重苦しいだけでなく、押して痛い、しこりを感じる場合には改善策が必要です。
また、日常的に感じる腹痛と違う感じで背中や腰が一緒に痛んだり、しつこく繰り返す場合には、内臓疾患を疑って病院を受診しましょう!