左の下腹に鈍痛があるとき、どんな病気が心配でしょうか?
大腸や泌尿器系統に異常が起きているときや、女性の場合には婦人科系の病気のサインかもしれません。
痛みをラクにする対処法や、心配な病名にはどんなものがあるのかまとめていきましょう。
左の下腹に鈍痛を感じる病気とは?
左下腹部の鈍痛は、大腸の異常や不調で出やすい症状です。
ほかに、膀胱炎や婦人科系の病気のサインとなっている事があります。
便秘
- 3日以上便が出ていない
- 仰向けに寝ておへその下から左下腹部にかけて押すと固さを感じる
最も多い原因としては便秘や、便が硬いため刺激を腸やまわりに刺激を与えて鈍痛が出ているケースです。
便が腸の中にとどまる時間が長いほど、水分が腸壁に吸収されて硬くなり、排出しにくくなってしまいます。
対処法は?
①温めることと、マッサージ
カイロやペットボトルにお湯を入れたものを、お腹や腰にあてて温めます。
②スクワットのような動き、体操
上下のスクワットではなく左右片方ずつに沈み込む動きが腸の蠕動をよくします。
③マッサージ
④浣腸・下剤
どうしても出ないときに自宅で試せる方法として、市販の浣腸か下剤で詰まりを解消しましょう。
たかが便秘と放っておくと、カチカチになって大腸の中に便が詰まった状態になり、腸閉塞を起こす恐れもあります。
生活習慣やストレスが原因のことが多いので、日常生活の改善が慢性化を防ぐポイントです。
食あたり
- 生もの、貝類などを食べた
- 体に合わないものを食べた
食あたりは、腹痛の症状が強く出て、下痢や嘔吐が起こります。
菌の種類や症状の出方によっては、なんとなくお腹が痛いと感じる程度の出方をする場合があります。
細菌感染、腸内の水分吸収が上手くいかずに下痢になる、腸の動きが活発になりすぎるといった事が原因となっています。
対処法は?
すぐに病院にかかるべきサイン
- 普段と違う色の便が出る(黒い・白い・便に血が混じっているなど)
- 発熱・痛みが増強
セルフケアの場合
① 常温の水分をこまめに補給
白湯や常温のスポーツドリンク、お茶などで、脱水症状を防ぎましょう。
② 消化の良い食べ物を補給
おかゆ、バナナなど消化の良いものを様子を見ながら補給して体力を温存しましょう。
下痢が激しくなったり、食べ物を受け付けない場合には病院に行きましょう。
③ 下痢止めは出来るだけ飲まない
感染が原因の場合、原因菌を体から排出する事が回復のポイントです。
*便秘と下痢を繰りかえす時や、食あたりに心あたりが無い場合には・・・
- 潰瘍性大腸炎や、大腸がんなどの大腸の病気
- 胆のう、すい臓などの内臓の病気
などが心配ですから、2日ほど安静にして症状が改善しなければ病院で診察を受けましょう。
潰瘍性大腸炎についての解説です
https://www.youtube.com/watch?v=FkcjKlYlRAo
膀胱炎
- すぐにトイレに行きたくなる
- おしっこを出すとき、出した後に痛みが強い
細菌感染が原因になって膀胱に炎症を起こす病気です。
トイレを長時間ガマンしがちな場合、抵抗力が低下しているときに起こしやすくなります。
女性の場合には尿道が短く、膀胱炎にかかる率が高いです。
対処法は?
すぐ病院にかかるべきサイン
- 痛みが強い
- 発熱がある
- 尿が濁ったり、血尿になっている
セルフケアの場合
① 尿道周りの清潔を保つ
女性の場合、生理や性交後など雑菌がつきやすいので、ナプキンをマメに交換する、性交後にはすぐ排尿するといった、雑菌の繁殖を抑える習慣を取り入れましょう。
② トイレをガマンしない
トイレをガマンすると長い時間膀胱に尿をためることになり、雑菌の繁殖が進みやすく、炎症を起こしやすくなります。
③ 食事や生活習慣の見直しで体力をつける
栄養と休息を十分に取り、体力をつけて抵抗力を上げる事が治療に役立ちます。
炎症が進んで腎臓に影響を与える心配がありますから、痛みが強くなる、尿が濁る、発熱するなど気になる症状が出ているときには、泌尿器科を受診しましょう。
卵巣のう腫など婦人科系の病気
出典:Wikipedia
- 生理の周期とあわせて痛みが出る
- 生理痛が重い
卵管の炎症ではキリキリとした痛みを感じることが多いですが、卵巣の腫れや、子宮内膜症では、下腹部の鈍痛を感じる事が多いです。
ストレスで症状が強くなることもありますから、腰骨を結んだ線よりも下の下腹部が痛む場合には可能性があります。
卵巣は左右にありますから、左の卵巣がのう腫などで腫れている時には、左の下腹に鈍痛を感じます。
対処法は?
病院にかかるべきサイン
- 不正出血がある
- 痛みがダラダラと続き、強くなっている
- オリモノが多い、臭う
子宮筋腫や卵巣のう腫が大きくなっていたり、子宮がんが原因で鈍痛が続くことがあります。
卵巣が腫れて大きくなってくると、卵管がねじれて激痛が起こる卵管茎捻転(らんかんけいねんてん)が心配です。
こうした異常を感じるときには婦人科で検査・治療を受けましょう。
セルフケアの場合
① 腰回り、お腹を温める
婦人科系の腹部の鈍痛は、腰回りやお腹を温めて血行をよくすることでラクになります。
② ミネラル、ビタミンE、Cの補給
ミネラルやビタミンE、Cなどが不足すると症状が出やすくなります。
果物やアーモンドなどのナッツ、ルイボスティーなどを取り入れて見ましょう。
③ 予防にはヨガや軽い運動
適度な運動を取り入れて、血行を良くすることが病気の予防になります。
生理痛が気になる場合には、ヨガやウォーキングを取り入れて見ましょう。
まとめ
左の下腹に鈍痛は、大腸、泌尿器、婦人科系の器官の異常が原因でおこる
左下腹部の鈍痛は、ストレスでも起こりがちですし、セルフケアでなんとか対処したい症状ですね。
ただ、病院にかかるべき症状が出ているときには、ムリせず病院で治療を受けましょう。