ホーロー鍋は、シチューなどの煮込み料理や、ジャムなどの酸が強いものを煮込むのにつかわれますね。
色がカラフルだし、デザインも豊富でちょっとオシャレなイメージがあります。
一体どんな危険性が心配されるのでしょうか?
日本では安全基準があって、体に悪い物は規制されているのだから、市販されている物は安心だと思いたいですのですが・・・。
何が危険なのか注意すべきポイントを知っておきましょう。
重金属が溶け出す心配が?
ホーロー鍋の危険性とは?
ホーロー鍋は鉄、ニッケル、クロムの合金にガラス質のコーティングを施しています。
厚みがあり熱の伝わり方がまろやかで、酸に強いので、ジャム作りにはホーロー鍋と言われます。
シチューなどのとろみのある煮込み料理にも活躍しますね。
ところが、重金属のカドミウムが溶け出す危険があり、輸入品では、厚生労働省の定めた基準をクリアしなければいけない規則があります。
重金属の体への影響
カドミウム、鉛、水銀、六価クロム、全シアン、セレン、ヒ素、フッ素、ホウ素
こうした重金属類が体に入ると中毒症状を起こします。
体の中で分解することが難しく、一つのところにとどまる性質があるので、一度中毒になると解毒することが難しいですし、少しずつ体に蓄積する恐れがあるのも怖いところです。
カドミウムの中毒は、公害病のイタイイタイ病の原因として知られています。
ホーロー鍋は安全なのか?
一般的な物は基準をクリアしている
日本では、重金属類などの体に有害な物質について、食品衛生法に基づいた規制があります。
輸入品に対しても、次の様な規制を定めています。
- 金属製の調理器具では鉛が基準値を超えない
- ガラス・陶器・ホーロー鍋にはカドミウムが基準値を越えない
一般的な物は基準をクリアして市場に出回っています。
傷がある場合は大丈夫?
基準をクリアした鍋の場合、ホーロー鍋の傷から、カドミウムが溶出するというのは考えにくい様です。
ただ、金属イオンが溶け出すことは否定出来ないので、金属アレルギーを持っている人は影響を受ける可能性があります。
キズがついてサビが出たり、コーティングがはがれてきた場合、汚れが残って雑菌が繁殖しやすいということも心配です。
ホーロー鍋のお手入れ方法はコチラ!
そのほか気になる調理器具
食品衛生法で危険性のあるものは規制されているので、必要以上におびえる必要はありませんが、体への影響について知って、正しい手入れ方法や使い方が出来ると良いですね。
フッ素加工の鍋・フライパン
260℃以上で加熱するとフッ素ガスがでるので注意が必要です。
使っていくうちにはげていくのが心配ですが、口に入っても体外に排出されると言われています。
高温での炒め物は鉄、煮込みではフッ素加工品など特徴を生かして使い分けると良いでしょう。
アルミの調理器具
酸に弱く使い込むうちに薄くなるアルミ鍋。
イオン化して料理に溶け込むことで、アルツハイマー病やがんのリスクをあげるという説が広がったことがありました。
現在では、公的機関はアルツハイマー病の原因になることは無いとしています。
健康マニアの間では絶対危険との意見が多いですが、アルミ鍋を使うことで摂取するアルミの量は1から6㎎程度。
食の安全性を評価しているJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)の資料では、1日のアルミ摂取の許容量は体重60㎏の人で17㎎としていますし、規制無くアルミ鍋がつかわれています。
気になる場合、カレーやおでんなど作り置きの料理は移し替える、酸の強い料理にはつかわない様にしましょう。
まとめ
ホーロー鍋は、正しい手入れや使い方をしよう!
意外な有害物質として調理器具の危険性が話題になることがありますが、日本では、厚生労働省が規制基準を設けています。
危険性が大きく取り上げられるときには、違う種類の鍋を売りたい業者が広めているといった側面があるようです。
ただ、長期にわたって蓄積されてはじめて体への影響が現れるこ可能性は否定出来ませんから、キズや傷み、使用方法に気をつけて使いたいですね。