息を吸ったときに胃に痛みを感じるというのは良くある事です。
深呼吸したときに、みぞおちのあたりが痛むと、胃が悪いのか他の原因なのか不安になりますね。
内臓に問題があって痛みを感じる場合と、肋間神経痛が原因の場合があります。
『息を吸ったときにみぞおちから背中が痛む』という症状は膵炎や胆嚢炎の症状としても出やすい様です。
息を吸うと胃が痛い時に考えられる病気は?
みぞおち・胃のあたりには、内臓の神経が密集しているので、内臓の不調が”息を吸うと胃が痛い”と感じていることが考えられます。
膵(すい)炎
膵(すい)炎はみぞおちから左上の腹部から、背中にかけての痛みを感じます。
咳や息をすると痛みが強く感じられ、深呼吸をして痛いと感じる場合が多く、脂肪分の多い食事をした後に、強い痛みになることもあります。
アルコールや胆石、脂質異常症との関連があるので、当てはまる場合には可能性が高くなります。
血液検査や、尿検査で膵酵素の異常が確認されることで診断されます。
慢性膵炎の解説動画はコチラです。
胆嚢(たんのう)炎
胆嚢(たんのう)炎は胆嚢に結石ができることで痛みが発生するケースがほとんどです。
みぞおち周辺、右上部の痛みや、右肩甲骨の下や背中が痛むこともあります。
触診で右腹部を押すと激しく痛むことが多く、息を吸っても強く痛みを感じます。
画像診断や、血液検査で診断されます。
肋間神経痛
肋骨に沿って走る神経が痛む病気。
ハッキリとした原因がわからないことも多く、ストレスで痛みが出る事も多くなっています。
筋肉の緊張をゆるめる治療で良くなるケースがほとんどです。
胃炎・胃潰瘍
胃炎や胃潰瘍といった胃の症状が原因で、息を吸っただけで、痛みを感じると言う場合があります。
呼吸で横隔膜が上下して腹部の筋肉や組織が動きますから、胃の痛みが気になると、息を吸うと痛いと感じるのです。
狭心症・心筋梗塞
命に関わる病気としては、心臓の病気が隠れていることがあります。
狭心症や心筋梗塞の発作が起きるときに、みぞおちを圧迫するような痛みや、背中や肩への放散痛を感じる人がいます。
突然、みぞおちや背中が痛んで息苦しさを感じたり、冷や汗が出るようならすぐに病院に行った方が良いでしょう。
息を吸うと胃が痛い場合のチェックポイント
膵臓、胆嚢、心臓といった治療がすぐに命に関わる病気の場合の特徴をまとめてみましょう。
- 痛みがとても強く、脂汗をかく
- 息を吸うと痛みが強くなり、動けないほどの痛み
- 膵臓・胆嚢の異常では黄疸がでることがある
- 心臓発作では、顔色が悪くなる
- 膵炎は脂っこい食事のあとに痛みが激しくなる
すぐに治療を受けた方が良いこれらの病気では、動けなくなるほどの痛みや顔色の変化、発汗などが現れます。
こうした急激な症状の場合にはすぐに病院にかかりましょう。
当てはまらなければ、まずは、ストレスを取り除くことや、ゆっくり休養することで様子をみても良さそうですね。
まとめ
動けないほどの痛みや脂汗が出るほどの痛みがあればすぐに病院に!
息を吸うとなんとなく胃が痛い、息を吸うとピリッと痛みが走るという場合には、胃炎や胃潰瘍といった胃の病気だけでなく、肋間神経痛など緊張による筋肉のこわばりが関係した病気かもしれません。
何かストレスを抱えているのなら、気持ちを発散してゆったり出来る時間を作ってみましょう。
ストレスを上手く逃がすことが出来れば、胃炎や胃潰瘍の改善にもプラスになります。
ただ、顔色が悪い、黄疸が出る、脂汗が出るといった強い痛みが出るときには、膵炎、胆嚢炎、心臓病の疑いが出てきます。
こうした病気の場合には、出来るだけ早く病院にかかる必要があります。
膵炎、胆嚢炎は急に症状が進むこともありますし、心筋梗塞では、発作から数時間が命が救えるかどうかの分かれ目になる事もあるからです。