女性なら胸の谷間、肋骨をつなぐ胸の真ん中にある骨が胸骨です。
胸をぶつけたり、衝撃を受けて痛む時ばかりで無く、ほかの原因がかくれている場合があります。
からだのゆがみや胸椎椎間板に原因があるときや、病気の兆候が考えられます。
胸骨の痛みがある時に考えられる原因と対処法についてまとめていきましょう。
胸骨の痛みの原因にはどんなものがある?
出典:Wikipedia
何か衝撃を受けた場合
ぶつけた、転んだ、スポーツをしたなど
肋骨の骨折・胸骨の骨折
自動車事故では、ハンドルに胸を強打して胸骨を骨折する事があります。
日常生活では、咳が長く続いただけで肋骨を骨折するケースがあり、肋骨の骨折が原因で胸の真ん中が痛む場合があります。
- 胸に強い衝撃を受けた
- 長引く咳
筋肉痛やこりがある場合
肋骨や肩甲骨周りの筋肉痛
自覚症状は、胸の真ん中が痛いという事なのですが、スポーツや慣れない作業からの筋肉痛や、同じ姿勢が長く続いたことで、筋肉が硬くなっている事が原因の場合があります。
- 胸骨、肩甲骨につながる筋肉の筋肉痛
- 筋肉のコリからの血行不良
胸椎椎間関節症(きょうつい ついかん かんせつしょう)
肋間神経痛の原因の一つ
背中や胸の真ん中に痛みを感じ、肩こりやピリピリ、チクチクした痛みがでます。
胸椎は背骨の中程、背中の部分にありますが、肋骨や関節と関わりが深く、骨と骨をつなぐクッションの役割をもつ椎間板に異常があると、肋骨や胸が痛いと感じる事があるのです。
- 肩や背中のコリが強い
- ピキッと脇腹が痛む事がある
内臓疾患のサイン
心臓疾患
心疾患で胸の中心部やみぞおちが痛むことがあり、胸の真ん中の胸骨が痛いと感じる場合があります。
発作的な息苦しさや、締め付けられる感じ、動悸がある場合には心疾患の検査を受けておきましょう。
- 息苦しさや動悸
- 締め付けられる感じ
肺気腫や肺炎など肺疾患
肺に異常が出ているときに、胸の真ん中が痛い場合があります。
息を吸ったときに痛みが増す、咳がでる、息苦しさがある場合に心配です。
- 咳がでる
- 息がしっかり吸えない
逆流性食道炎・胃潰瘍
逆流性食道炎では、消化液が食道入り口まで逆流することで慢性的な炎症をおこします。
胃潰瘍では、胃壁に潰瘍が出来て傷が出来るので、キリキリとした痛みがみぞおちなどに起こります。
こうした痛みを胸の真ん中が痛いと感じる場合があり、胸骨が痛い原因が消化器系の病気のサインだったということがあるのです。
- ムカつき・胸焼けがある
- 食欲がない
万が一の心配な病気
急性白血病
肋骨をつなぐ胸の真ん中にある太い骨が胸骨です。
3つのパーツに分かれていて、上から胸骨柄(きょうこつへい)、胸骨体、剣状突起とよばれています。
胸骨は、骨髄が豊富で、血液を創り出す器官としての役割も持っています。
急性白血病は、正常な造血機能が失われる病気です。
このため、骨髄の豊富な胸骨が痛むことがあるのです。
白血病の症状は?
- めまいなどの貧血症状
- 内出血が出来やすい
- 歯茎からの出血や鼻血が出やすい
- 倦怠感や息苦しさ
- 風邪をひきやすく、良く熱を出す
日本で白血病にかかる人は、10万人あたり7.1人と聞くと他人事のように感じる場合があるかもしれませんが、どの年齢層でも満遍なく患者数がいることから、むしろ若い年代で発症する人が多いがんです。
乳がんなどでの骨転移
乳がんは、骨転移しやすいがんと言われています。
骨のシンチグラフィなど検査して始めて転移がわかる場合もありますが、骨転移の状態によっては痛みを感じる場合があります。
また、骨転移を起こした場所は、骨折しやすくなりますから、骨に響くような痛みになります。
乳がんの症状は?
- 胸に動きの悪いしこりが出来る
- 乳頭が左右で違うムキになっている
- リンパにしこり(無いこともアリ)
- 頑固な肩こり、肩甲骨痛を感じる人もいる
- 胸骨、背骨、腸骨などに響く痛み
がんは、遺伝子が傷ついて正常な細胞分裂が出来ず、異常な細胞が増えて腫瘍を作るとされています。
乳がんに限らず、がんを発症すると原発(元々のがん)以外の場所で、必要の無い増殖をして体の正常な機能に影響を与える恐れがあります。
”なんとなく不調だ”と感じるサインを見逃さずに、早期発見につとめましょう。
- 定期的に検診を受ける
- いつもとちょっと違う違和感でも検査する
胸骨が痛むときの対処法は?
外傷や筋肉痛なのか、それ以外の原因か見極める
- 胸を強く打った
- 腕立てや二の腕のエクササイズをした
- 拭き掃除をいつになくがんばった
- スポーツをした
こうした事が無いのに、胸骨が痛む場合には、肋間神経痛・胸椎椎間関節症など、ほかの原因がかくれているかもしれません。
セルフケアでおさまらないときは病院へ
筋肉痛なら2日ほどで症状が弱くなるはずです。
動かして痛みが増す場合や、ストレッチで痛みが解消できない場合は病院で診察を受けましょう。
胸骨の痛みに効くストレッチ
万が一の病気の可能性は検査でクリア
胸骨の痛みを簡単に考えて、重大な病気を見逃しては大変です。
風邪のような症状が一緒に出ている、症状が3週間以上続いている、倦怠感や貧血症状が出ているなど、いつもとちょっと違うというポイントに気付いたら、検査で不安をクリアにしておきましょう。
また、早期発見につながれば、重大な病気でも命を落とすことは避けられます。
まとめ
胸骨の痛みは、軽い運動やストレッチで解消されなければ病院を受診しよう
胸骨は体の中心で体幹を支えていおり、造血器官としても重要です。
整形外科的な症状から、内臓疾患、がんなどが原因として考えられるので、痛みや違和感があったら、病院を受診しておきましょう。