便秘 症状

【便秘解消】麻痺性イレウスの治療方法とは?

ひどい便秘、お腹の張りが強く苦しいという症状が進んで診察を受けたら、『麻痺性イレウス』と診断されることがあります。

イレウスというのは、腸の内容物が送られなくなり、命に関わることもある病気です。

重度の便秘の原因が、麻痺性イレウスと言うことがあり、注意が必要です。

治療方法について調べて見ました。

麻痺性イレウスと薬の副作用

クスリ

麻痺性イレウスは、薬の副作用で出ることが多いので次の薬を飲んでいて、お腹が張る、便が出ないという症状が気になる場合には、薬の副作用が疑われます。

腸管運動が麻痺

腹膜炎、開腹手術後の神経麻痺、脳疾患、腸間膜血管の閉塞、強いストレス、薬剤の副作用が原因になって、腸の動きが鈍くなって、便が停滞してしまいます。

痛みの強さは、『麻痺性イレウス<閉塞性イレウス<絞扼性イレウス』。

麻痺性イレウスは、ほかのイレウスと違って、脂汗が出るようなひどい痛みというほどではないので、ただの便秘と甘く見ていると、排便が上手くいかなくなり、危険な状態になりかねません。

ムスカリン受容体遮断作用

抗精神薬、鎮痙薬、頻尿治療薬、尿失禁治療薬には、ムスカリン受容体遮断作用が影響して、麻痺性イレウスを引き起こします。

うつや躁うつの治療のため、向精神薬を服用している場合や、頻尿治療のため、抗コリン薬を飲んでいて、便秘、お腹が張るといった症状が出ている時、麻痺性イレウスの疑いがあります。

糖尿病治療薬

糖尿病治療薬の「α-グルコシダーゼ阻害剤」を服用している場合にも、麻痺性イレウスになるリスクが高まります。

「α-グルコシダーゼ阻害剤」は、食物中の炭水化物の消化を遅らせ、血糖値の上昇を抑える薬ですから、胃腸の動きが鈍くなる副作用が出やすい薬です。

手術やがん治療のくすり

  • 免疫抑制剤「タクロリムス」
  • 腸の動きを抑制してしまう抗がん剤
  • 医療用麻薬「オピオイド」

免疫抑制剤「タクロリムス」は、手術のあとの拒絶反応を防ぐためや、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎後用に使われますが、用い方によって麻痺性イレウスを起こし手しまう事があります。

抗がん剤も、胃腸の動きを抑制してしまうので、腸内の内容物が停滞してしまう副作用が出やすいです。

医療用麻薬「オピオイド」は、がんや神経障害、手術の後の激痛をやわらげるために使われる鎮痛薬です。

麻痺性イレウスで、腸の内容物が停滞したままになれば、命に関わりますから、麻痺性イレウスが起こらないように注意しながら用いられます。

麻痺性イレウスの治療

診断

鼻から管を挿入

麻痺性イレウスでは、いきなり外科手術での治療になることはなく、まずは『保存療法』による治療が行われます。

イレウス=腸閉塞・・・腸管が詰まってしまうのが原因ですから、鼻や口から細い管を入れて腸内に溜まっている水分やガスを抜いて、腸管の緊張状態をゆるめます。

腸管内部のハリが緩むと、腸管のぜん動が戻れば、そのまま回復する事も多いです。

ネオスチグミン

腸管ぜん動を活発にする薬です。

副交感神経を刺激して、腸の動きを活発にするので、保存療法とあわせて使われる事があります。

大建中湯

健胃作用のある漢方薬として知られるくすりです。

胃腸の冷えを取って、調子を整える『しょうが、山椒、膠飴(こうい)』が組み合わされています。

臨床研究でも、回復期が4日ほど短縮出来たというエビデンスがあります。

麻痺性イレウスの予防

海藻

繊維の過剰摂取を避ける

コンニャク、コンブ、ワカメ、キノコ、餅など、腸のなかで停滞しやすい食べ物を一気に過剰摂取するのは危険です。

手術の後や、投薬の副作用の場合には、医師のチェックが入りやすいですが、ダイエット目的で、過剰に食物繊維の多い食品を食べ過ぎて、麻痺性イレウスになる場合もあります。

腸を鈍らせる薬の副作用に注意

薬の副作用で麻痺性イレウスになることがありますが、治療の内容によっては、勝手に薬をやめたり、市販の便秘薬を飲むことで、保存療法では対処出来ない状態に悪化させることが予想されます。

便秘状態が続き、お腹が張って苦しい、吐き気がある、おう吐している、食事が摂れないなど麻痺性イレウスが疑われる症状にきづいたら、医師の判断に従いましょう。

便秘を甘く見ない

腸内の内容物が停滞して排出されないというのは、『便秘』として、軽く考えがちですが、食物繊維の取りすぎや、下剤の常用で腸の働きが鈍っているなど条件が重なれば、命に関わるイレウスの状態に陥る危険があります。

腹痛がひどくなくても、おう吐やお腹の張りが強く苦しい場合には、重症化させないうちに病院で診断・治療を受ける事が大切です。

まとめ

麻痺性イレウスは自己ケアでは危険。病院で診断を受けましょう。

麻痺性イレウスは、命に関わる状態になることは6%といわれていますが、単なる便秘と甘く見ていると、初期治療でつまずき、回復を遅らせる原因にもなります。

薬を常用している場合、もともとほかの病気で治療を受けていることが多いですが、普段から便秘症で腸のぜん動が弱っている場合には、苦しいほどのお腹の張りや、おう吐など”普通ではない”と感じるときには、病院を受診しましょう。

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