右下腹部に違和感を感じても、女性の場合は、生理痛など婦人科系からの影響が大きいので、病気というより『上手く付き合っていくべき症状』と思って様子を見ているケースが多いのではないでしょうか。
子宮筋腫や子宮内膜症を起こしていると、生理痛が重くなったり、下腹部に違和感を感じることがあります。
違和感を感じながら、治療に踏み切るタイミングを逃してしまうと、激痛を伴ったり、不妊の一因になるので、婦人科を受診しておきたいですね。
『右下腹部に違和感を感じるけれど、このままで大丈夫?』
そんな不安を持つ人の参考になる、子宮筋腫や内膜症、女性に多い病気についてまとめていきましょう。
右下腹部に違和感が出るのはどんなとき?
婦人科系の原因
子宮筋腫
- 経血の量が多く貧血気味
- 生理痛がきつい
- うつ伏せになるとお腹に違和感がある
- 腹部を触るとしこりのようなものに触れる
子宮筋腫は3割ほどの女性に見られるほど、良く出来る良性の腫瘍(できもの)です。
原因としては、子宮の筋肉組織の中に、筋腫の芽となる異質な組織があるためという考え方が一つ。
もう一つには、妊娠に備えて子宮の組織が増えようと準備をしていても、妊娠しなければ準備の途中でやめることを繰り返し、異常な増殖をしてしまうリスクが高まるという考え方があります。
性成熟期に生理を繰り返すごとに、筋腫が大きくなり、生理痛や貧血といった影響が強く出ます。
子宮内膜症
- 生理痛が重く、下腹痛・腰痛がひどい
- 排便の時に痛みが出る
- 下腹部に違和感・痛み
子宮内膜は、生理のたびにはがれ落ちて、排卵に向けて増殖して厚くなります。
増殖するタイプの組織が子宮内膜以外のところで増殖して癒着を起こすので、腹痛や腰痛が出ます。
癒着が起こる場所によって痛み方が違いますが、はじめは、下腹部の違和感として感じる場合もあります。
子宮内膜症の解説動画です
チョコレートのう腫
- 下腹部に違和感を感じる
- 排卵痛を感じる事がある
- 生理痛以外に腰痛、骨盤痛、下腹痛がある
- 下腹部を触って違和感がある
内膜症を起こす異常な増殖をする細胞が、卵巣に入り込んで起こると考えられています。
卵巣の中に子宮内膜の組織が溜まり、大きくなっている事があります。
卵管がねじれてしまう『卵管茎捻転(らんかん けいねんてん)』をおこすと、ショック症状を起こすほどの激痛で、救急搬送になることがあります。
卵管炎
- 左右どちらかの下腹部痛や違和感
- チクチクとした下腹の痛み
- 症状が進むまではオリモノの変化程度の場合もある
卵管は、排卵した卵子を子宮へ運ぶ役割の器官ですが、細菌感染で炎症を起こすことがあります。
症状が進むまで自覚症状が薄いケースがあり、下腹痛として感じる時には、骨盤腹膜炎の状態に炎症が広がっている事が多いのです。
クラミジアの感染が、炎症の原因になる事が増えているので、注意が必要です。
卵管炎になると、卵子を吸い寄せる先端が閉じて、卵子を子宮へ運ぶ機能が弱くなるので、不妊の一因になります。
女性が左右下腹部に違和感を感じるときには、婦人科で検査を受けてみましょう。
泌尿科系の原因
膀胱炎
- 下腹の違和感、痛み
- おしっこが出し切れていない感じ
- 排尿の時痛む
- すぐにおしっこにいきたくなる
女性は、男性と比べて尿道が短いので、雑菌の影響を受けやすく、膀胱炎にかかりやすいのです。
また、トイレをガマンしがちな場合にも膀胱炎になりやすいですね。
尿路結石
- 下腹部の違和感
- 排尿痛がある
- 腎臓から石が尿道に動くと激痛になる
カルシウムの固まりがあつまって結石になるのでが、腎臓内にある場合はほとんど無症状で、石が動くときに尿管を刺激して激痛になることがあります。
尿管が結石で詰まることで痛みが出るケースもあります。
下腹の違和感と頻尿があるなら、泌尿器科を受診して見ましょう。
右側といえば・・・
急性虫垂炎
- 痛みがみぞおちから移動して右下腹部が痛む
- お腹に振動を与えると響くような痛み
ほかの婦人科系の病気や、泌尿器科の病気では左右どちらかに起こる可能性がありますが、右側・下腹部と条件が揃っている場合には、急性虫垂炎の可能性もチェックしておきましょう。
痛みがみぞおちから移動する事や、お腹を押していき離すと響くような痛みがある事が特徴です。
対処が遅れて、腹膜炎になると重症化のリスクが高くなりますから、心配な場合には、病院を受診しましょう。
違和感や痛みが移動しているなら虫垂炎の疑いも!内科・消化器科を受診しましょう
まとめ
右下腹に違和感を感じる女性は、不妊や強い痛みに対処するため婦人科を受診しましょう
女性が下腹に違和感を感じるときには、子宮筋腫や内膜症が起こっている場合が多く、婦人科を受診して検査を受けておきましょう。
性成熟期の30代では、特に状態が進みやすいことと、妊娠を希望する場合があるので、婦人科で見てもらい、積極的な治療が必要か相談してみましょう。
違和感から急激に痛みが強くなってくるときは、茎捻転や虫垂炎、子宮外妊娠が心配ですから、すぐに病院にかかってください。