息も出来ないほど胸が痛くなって苦しむ体験をしたら、こんな風に考えてしまいますね。
- 心臓の病気になっているかも
- またこの苦しみを味わうのかと考えると不安
- 苦しすぎて、もうダメかも・・・
でも、狭心症か心筋梗塞かもしれないと感じるほどの苦しみがあるのに、検査したら危険な所見が少しも出てこないケースがあるのです。
苦しみの正体は何なのでしょう?
ストレスが原因で起こる胸の痛みについてまとめていきましょう。
ツライ時に胸が痛む・・・って本当だった!
感情の起伏で血圧が上昇したり、体に変化が出ることはわかっていますが、ストレスを受け続けたときにも体の不調が起こります。
ストレスが体にあたえる影響
- 仕事で何度やってもダメ出しばかり
- いつも完璧に思い通りにやりたいのに出来ない
- 目標が高くいつもストイックに結果を求めている
こうした思いで毎日を過ごしていると、イライラがたまり、血圧が上がってしまいます。
交感神経が優位になる時間が長く、リラックス出来ないと、ストレスが原因で起こる体の変化が症状として出るのです。
また、免疫機能が落ちて、感染症にかかりやすくなったり、遺伝子が傷ついた異常な細胞を排除出来なくなり、腫瘍ができてしまうなど、病気にかかりやすい状態になります。
ストレスで狭心症や心筋梗塞
交感神経が優位になる時間が長く、リラックス出来ないと、血管に負担がかかり、内側がでこぼこになり、血液の流れがわるくなります。
冠動脈の血流が悪くなると、心筋に酸素が届かなくなって狭心症、心臓の動脈が血栓で詰まれば心筋梗塞と、心臓の病気がおきやすく、命の危険が出てきます。
狭心症や心筋梗塞の症状の特徴は・・・
- 顔面蒼白
- 脂汗
- 胸が締め付けられ、息苦しい
- 胸に灼熱感があるほどの激痛
- 左肩に抜けるような痛み
- おう吐
ストレスがかかる環境では、心臓の病気を発症しやすいのは事実です。
パニック障害と心臓神経症
狭心症などの心臓発作と同じほどの苦しみがあるのに、検査をしても心臓疾患の所見が何も出てこないケースがあります。
心電図を取っても異常なし、画像診断を受けても異常なし・・・
原因不明のまま、心臓発作のような症状を繰り返すのですから、本当にツライですね。
”精神的なもの”と軽い態度で片付けられてしまうと、本当に大丈夫なのか不安になってしまいます。
心臓神経症は、パニック障害のひとつと言えます。
パニック障害の一つ、心臓神経症は・・・
- 脳機能障害で自律神経がコントロール出来ない
- 息が上手く吸えない
- 胸が締め付けられる
- おう吐
- チクチク痛む場合抑えると強く痛み、さするとラクになる
- 一人で安静にしている時に感じやすい
とても苦しい症状が出ますが、実際に命に関わる事は滅多にありません。
自律神経の乱れや、脳内物質の分泌に障害が原因になっているので、心療内科などで処方を受けた薬を使いながら、改善が可能です。
つらさは本人にしかわからない苦しみ
”精神的なもの”という表現を、”たいしたことがなくて良かった”ととらえられれば良いのですが、胸の痛みや息苦しさは、本当に死ぬ思いと表現したいほどです。
けれども、”また、苦しい発作が起きたらどうしよう”という不安感が緊張を誘い、発作を繰り返す人も少なくありません。
パニック障害の一つである心臓神経症は、とてもツライ発作を起こす病気ですが、死を意識するほどの苦しみに対する恐怖が、発作の引き金になっていると言えます。
パニック障害では、対人恐怖が原因になっていることがあります。
漫才コンビ中川家もパニック障害を乗り越えていた
https://www.youtube.com/watch?v=T0f4aD4QhdM
治すにはどうしたら・・・
- ストレス・疲労・不安感をやわらげる
- 自律神経を安定させる
- 適度に軽い運動をする
- 心療内科で薬を処方してもらう
- 人間ドックで健康への不安をなくす
ストレスからくる胸の痛み、心臓神経症を治すには、”心臓が心配だから一人でじっと安静にしている”ことは、マイナスに働く事があります。
疲労を回復するために十分な休養を取ることは大切ですが、
- じっとしているお陰で発作の事を考えてしまう
- 思うように活動出来ない事に不安を覚える
こうしたネガティブ思考に陥ると、病気の事や発作のつらさばかり考えて不安が大きくなりますから、肉体的な休養をしっかり取って適度に体を動かすことがポイントです。
心臓そのものに異常が無いなら、運動で高揚感を感じることがストレス発散になる事もあります。
気持ちが沈んだり、不安で眠れない時は?
- 寝る1時間前に湯船につかり、入眠しやすくする
- アロマや音楽など自分に合ったリラックス法を取り入れる
- ベッドに入ってからスマホやタブレットのブルーライトを見ない
- 昼閒、ウォーキングなどで日光をしっかり浴びて体を動かす
こうしたセルフケアをしてもつらさが取れない場合には、心療内科で相談し、必要なら薬を処方してもらいましょう。
きちんと休養が取れると、自律神経も整いやすくなり、回復する事が出来ます。
まとめ
心臓病や神経症はストレスが引き金。神経症なら、命の危険はない!
ストレスで胸が痛いとき、狭心症などの心臓病なのか、心臓神経症なのか、循環器科で検査を受けましょう。
心臓に異常が無い場合は、自律神経を整える事を意識した生活スタイルを工夫する事や、不安感にとらわれないよう、ストレスと上手く付き合う方法を探って見ましょう。
眠れない、発作が頻繁に起こるという場合には、心療内科に相談して、適切な薬を処方してもらう方法もあります。