喉の痛みがつらい時には、唾を飲むのがつらい感覚や、耳の方に響くような感覚があります。
けれども、そうしたいつもの風邪症状の時の痛みと違った感覚の、焼けるように痛いと不安になりますね。
”焼けるように”という痛みは、炎症やただれが出ているのではないかと予想されます。
- 刺激や感染症で咽喉頭炎で喉がただれている
- 消化液が喉に逆流してただれている
- 溶連菌感染症などの喉の痛みが出やすい感染症
特に、慢性的に痛みを繰り返す原因が消化器にあるなんて気づきにくいですよね。
消化器の問題が引き起こしている逆流性食道炎についてまとめていきましょう。
*熱があって扁桃腺の腫れが気になる場合にはこちらの記事が参考になります。
逆流性食道炎の特徴は?
喉の焼けるような痛み
喉がいがらっぽいだけでなく、胸焼けの時のような熱い感じがします。
消化液が何かの原因で咽頭のほうにあがって来るため、粘膜が常に刺激を受けている状態になっています。
このため、風邪症状の時の喉の痛みとは違った喉の違和感や、焼けるような痛みを慢性的に感じてしまうのです。
喉の炎症を抑える治療を行っても、消化器に対応する治療を行わないと何度も繰り返してしまいます。
高熱がでない喉の痛み
こうした消化器の不調が原因の喉の痛みは、感染症での喉の痛みと違って高熱が出ることは少なくなっています。
喉の不快感は続いているのに、熱が出ないから様子を見ようと治療せずにいるケースが多くなっています。
あまりにもしつこい喉の痛みに、耳鼻咽喉科を受診して、検査を受けて『逆流性食道炎』の診断を受け、消化器科の治療をすすめられるのです。
喉頭炎を繰り返す
高熱が出ない咽頭炎を繰り返すときは、逆流性食道炎ではないか、消化器科で検査を受けるか、耳鼻科咽喉科で専門の器具を使って検査を受けるのがオススメです。
焼ける様な痛みを常に感じていると、食欲も落ちますし、憂鬱ですよね。
逆流性食道炎の原因と対策は?
逆流性食道炎の原因は?
消化液が胃から逆流するのを防いでいるのは、噴門(ふんもん)という部分です。
脂肪の摂りすぎや、猫背などの姿勢の悪さで、この噴門という部分が緩んで消化液の逆流を起こしやすくなるのです。
脂っこい物を食べ過ぎたときに、胸焼けを感じる事がありますが、十二指腸を脂っこい食物が通過するときにホルモンの働きで噴門が緩んでしまうからなのです。
- 脂っこい食べ物を一度に摂りすぎない
- 猫背に気をつける
- 横になるときは左側を下にして寝る
甘い物やお酒などでも胸焼けした経験はありませんか?
ケーキやお菓子、チョコレートやココアなどの甘い物、アルコールやたばこ、コーヒーなどの刺激物、香辛料なども胸焼けの原因になりやすいので、気をつけましょう。
逆流性食道炎の治療法は?
- 生活習慣の見直し
- 横隔膜を鍛える(食道は横隔膜でささえられているから)
- 薬でコントロールする
- 手術
といった治療方法があります。
喉の痛みとして感じるのですが、消化器の治療をしていくと言うことになります。
胃潰瘍やストレスの影響
胃潰瘍やストレスから、消化液が逆流して胸焼けや、喉の焼ける様な痛みが出ていることがあります。
胃潰瘍は、暴飲暴食やストレス、喫煙が原因とされてきましたが、ピロリ菌の保菌者におこる病気だと言うことがわかってきました。
ピロリ菌の除去や、向精神薬の処方が胃に炎症を起こすリスクを下げて、改善に役立つケースがあると考えられます。
逆流性食道炎の自宅でできる管理方法の動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=dNRRjkfCNQk
喉が焼ける様に痛い本当の原因は?
消化器の不調が喉の痛みを起こしていることがあるのですね。
喉が焼ける様に痛い時の原因別あるある度をまとめて見ましょう。
あるある度☆☆☆ 口呼吸による乾燥
副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などで、慢性的に鼻づまりがある場合や、口の周りの筋肉が弱いことで口呼吸になりやすいケースでは、喉の乾燥で焼ける様な痛みがでます。
特に、朝、起き抜けに唾を飲み込んで焼ける様に痛い場合には口呼吸の乾燥でしょう。
あたたかい飲み物を飲んだり、食事をしているうちに良くなることがほとんどです。
対策:マスクをつける、鼻の症状の治療
あるある度☆☆☆ 上咽頭炎
風邪などで、ウィルス感染が鼻の奥と喉の間の上咽頭におこると、ヒリヒリとした痛みを起こします。
感染の種類によっては、発熱します。
対策:風邪薬で様子を見る、アズレンうがい薬でうがい、消炎症剤や抗ウィルス薬・抗生剤などの処方を受ける
声を酷使して、炎症による痛みが強くでている場合もあります。
カラオケ、飲み会ではしゃいだ、スポーツで大声を出したなど思い当たりませんか?
この場合は・・・
対策:アズレンうがい薬でうがい、声を使わない、マスクなど乾燥を防ぐ
上咽頭炎についてはこちらの記事でも取り上げています。
あるある度☆☆ 逆流性食道炎
風邪症状ほどではありませんが、消化器に問題があるケースが増えています。
慢性的に胸焼けに似た焼ける様な痛みを、慢性的に感じる時は要注意です。
対策:食事に気をつける、食べてすぐ横にならない、消化器科の受診 など
あるある度☆ 咽頭がん
今まで感じた事のない痛みが慢性的に続くと、不安になるのが、『がんは大丈夫か』という事です。
咽頭・喉頭がんは、がん全体の3%程度と頻度が低く、飲酒・喫煙・声の酷使など、高リスクの場合以外は考えにくい病気です。
ただ、3ヶ月以上の慢性的な症状があり、違和感やリンパ節の腫れが出てくる場合には検査を受けましょう。
声がれや血痰、飲み込みにくさが続く時は要注意です。
対策:高リスクの条件をチェックし検査を受ける、高リスクの習慣を避ける
咽頭・喉頭がんについてはこちらの記事でも取り上げています。
まとめ
喉の焼ける様な痛みは『逆流性食道炎』の可能性がある。食習慣を見直そう!
喉の痛みが気になってスプレー薬を使っても、逆流性食道炎の場合には治すことが出来ません。
ただ、生活習慣を改善したり、横隔膜を鍛える事で症状を出にくくする事ができるとわかってきていますから、熱の出ない喉の痛みをよく感じるとか、胸焼けを感じることが多いと思い当たるなら、気をつけてみましょう。
- ゆっくり噛んで食べる
- 食事はバランス良く腹八分目
- 腹式呼吸やドローイン体操をする
こうした事に気をつけると、噴門が緩んで消化液が逆流する事が少なくなります。
薬や手術に頼る前に、生活習慣を改善して『逆流性食道炎』が良くなれば、喉に焼ける様な痛みを感じる事も減っていくでしょう。