ロタウイルスとは
冬の時期に流行する怖い病気に、ノロウイルス感染症というものがあります。実は、そのノロウイルスと同じくらい怖い病気があるのです。
それが、ロタウイルスによる感染症になります。
特に、乳幼児に多く感染が見られるのが、ロタウイルスの特徴です。そのため、子供のいる家庭では、意外に身近な病気と言えるでしょう。
成人のロタウイルスの70%が、子供からの二次感染だと言われています。それでは、成人がロタウイルスに感染した場合、どのような症状が現われるのでしょうか。
ロタウイルスの症状
ロタウイルスの特徴的な症状は、嘔吐や下痢、発熱などです。中でも、下痢は、米を研いだ汁のような白い便になります。
嘔吐の症状には個人差があるでしょう。激しい嘔吐で、お腹が張ったように感じられるかもしれません。
一時的に便秘になるという方もいます。
嘔吐と下痢の症状があるため、成人も子供も、脱水症状には注意が必要でしょう。一般的な胃腸障害は、ノロウイルスや、その他の風邪などと見分けが困難です。
見分けるポイントは、白い水のような下痢便があるか、どうかになります。
発熱は、感染の初期に見られる症状です。潜伏期間が1日から3日ですので、注意すれば何らかの症状に気付くでしょう。
5歳を迎えるまでに、ほとんどの方が感染するのがロタウイルスです。
一度、感染したことのある成人の場合は、免疫を持つでしょう。その免疫が効果的に働いてくれるはずです。
ロタウイルスの症状は、現われてから5日程度で回復に向かうとされています。症状が軽くなっても1週間程度は、便からロタウイルスが検出されるでしょう。
特徴となる白い便は、8日くらい続くことも珍しくありません。
成人がロタウイルスに感染した場合
健康な成人が、ロタウイルスに感染したとしても、症状は軽い場合がほとんどになります。ちょっとした、ムカムカ感や倦怠感などの症状です。
ほとんどの場合、すぐに自然治癒することが多いでしょう。
そのため、家庭の中で子供から成人に感染したとしても、気付かないことが多いです。ですから、気付かないうちに子供へと、また感染させてしまわないように注意しましょう。
妊婦さんのいる家庭では、母親や胎児に影響がないかと心配になるかもしれません。
実際には、胎児への問題は、ほとんど心配ないでしょう。しかし、妊婦の場合でも、脱水症状には注意が必要です。
もちろん、ロタウイルスに感染しないように気をつけることが大事です。それでも、幼児のいる家庭では感染を回避することは難しいでしょう。
子供の世話などで、じっくり休めない場合でも、すぐに病院へ行くべきです。特に、ロタウイルスの症状が激しい場合は、速やかな行動が求められます。
受診する病院は、妊婦健診を受けている病院か、かかりつけの内科でかまいません。
一般的に、成人のロタウイルス感染症は、症状が軽いものです。しかし、免疫力が落ちている方の場合、その限りではありません。
場合によっては、ロタウイルスが重症化してしまうこともあるでしょう。
ロタウイルスの対応
症状の個人差が激しいのも、ロタウイルスの特徴です。成人の場合、家庭での手当だけでは不十分な場合もあります。
心配な場合は、必ず病院を受診することが大事です。自宅では、なるべく消化の良い物を食べて、休養を十分取りましょう。
残念なことにロタウイルスを治療するためには、自然治癒力を高めることしかありません。感染による、胃腸障害が長く続く場合は、安静と水分補給を心がけましょう。
ロタウイルスを、身体から追い出すためには、強力な下痢止めは禁忌です。
服用するのであれば、整腸剤などで腸内環境を整えます。そのまま、自然に症状が治まるのを待つだけです。
嘔吐が続いている時は胃腸の負担になる食事は、なるべく控えましょう。
まとめ
冬場の時期に感染が流行する病気の一つが、ロタウイルス感染症です。主に、子供の間で感染が広がる場合が、ほとんどになります。
しかし、成人であっても感染の危険性があります。
白い水のような下痢便が、ロタウイルスの特徴です。症状が現われたら、無理せず病院を受診しましょう。