痰や咳と言うと、「風邪をひくと良くある事」で済ませがちです。
でも、長引いているときは注意したいですね。
- 2週間以上咳や痰が続く
- 咳や痰が続いて良くなるのを繰り返している
- 咳や痰が出やすい感覚が1年~2年続く
こんな時には、風邪以外の原因が隠れている可能性が強いので病院に行った方が良いのです。
咳や痰が続く時に疑われる病気
- 慢性気管支炎
- 肺炎
- 気管支拡張症
- 気管支喘息
- 肺気腫
- びまん性汎細気管支炎(はんさいきかんしえん)
- 進行性肺がん
- 結核
熱がひかず風邪が長引く
気管支炎や肺炎になっているかもしれません。
風邪症状の咳や痰は、1週間程度で治まりますが、喉の奥の気管支や、肺に炎症が起きると長引いてしまいます。
マイコプラズマ感染症の場合には、乾いた強い咳(ケンケン、コンコンという感じ)が出ます。
微熱が続く、血痰が出る
微熱と咳、痰が続く時には、結核が疑われます。
結核だとわかって治療を受ける場合には、結核にあった抗生剤を使う事で完治がのぞめます。
それだけに早く感染に気付いて適切な治療を受ける事が大切なのです。
けれども、「風邪が長引いている」くらいに考えて放置していると・・・
- 病気が進行して呼吸器に障害が出る
- 結核菌が脊椎など他の場所にも感染を起こす
- 命を脅かす状態になる
結核菌は感染していても、体力が充実していると発症しにくい病気です。
感染後、高齢になって免疫が低下して発症するケースもあり、なかなかなくなることがありません。
芸能人でも、お笑いの箕輪はるかさんや、モデルのJOYさんが感染、療養したことがあります。
血痰や体重減少、37℃前後の微熱が続く時には注意が必要なのです。
咳や痰が長引いているけれど熱はない
リンパ節が腫れていると言うことはありませんか?
首や、股関節のところにしこりが見られる場合には、肺がんの疑いがあります。
軽い気管支炎であれば適切な治療を受けて短期間で完治するでしょう。
けれども、肺がんの場合には命を奪われる可能性が高い病気ですから、検査を受けてしっかりした診断を受けておくことが必要です。
風邪特有の喉の痛みや、発熱、頭痛、鼻水の症状がなく、咳や痰が長引くときには注意しましょう。
また、慢性副鼻腔炎の時には、びまん性汎細気管支炎(はんさいきかんしえん)が出やすいといわれています。
びまん性汎細気管支炎の解説動画です。
市販薬や風邪薬を飲み続けるキケン
咳や痰が長引くときに、「とりあえず市販の咳止めや風邪薬で対応する」という事は良くある話です。
けれども対処療法で咳や痰をなだめていても、原因がわからないままにしておくのはキケンです。
- 原因が解消されないままなので、薬の長期連用につながりやすい
- 結核や肺がんが見逃されると命に関わる
- 気管支拡張症は、風邪薬では治療できない
医師の正しい診断のもと、ふさわしい治療を早期に受けられれば重症化を防げますが、放置していると、咳や痰が長引きます。
感染症であれば適切な抗生剤を使った治療になりますし、肺がんであれば抗がん剤や手術が検討されるでしょう。
気管支拡張症は、感染症、気道閉塞(へいそく)、先天性、免疫異常など原因が様々ですから、検査を受けて原因にあった治療を受ける事が必要です。
病気の発見が遅れることと、薬の長期連用を避けるには、病院で治療しましょう。
まとめ
熱がなくても咳や痰が長引くときには、病院を受診しましょう!
「咳や痰が長引いても、熱がなければ様子をみる」というケースは多いですが、2週間以上かかっても治らない場合には心配です。
熱がなくて咳や痰が続く場合には肺がんや、結核といった病気の初期症状かもしれないのです。
医師の診断を受けて、咳や痰の原因をハッキリさせておくのが安心です。
咳や痰が続くからと、市販薬を長期連用する事は避けて、病院で診断を受けましょう。