溶連菌感染症とは、普段はあまり耳にしない病気です。しかし、子供がいる家庭や学校関係に職がある方なら、すぐに理解出来るでしょう。
この病気は、主に幼児や子供に多く見られるのですが、
大人でも感染・発症する恐れ
があります。この感染症の特徴として、大人と子供の症状が違うというところでしょう。
その大きな違いが、
咳が出るかどうか、
ということです。
今回は、溶連菌感染症とは一体どのような病気であるのか説明します。特に咳と溶連菌の関係について解説しましょう。
溶連菌感染症とはどんな病気?
溶連菌の特徴としては、幼児や子供に感染することが多いのですが、大人でも感染・発症します。家庭内の誰かが感染した時、同居人に妊婦の方がいれば、充分注意が必要です。
溶連菌は喉が痛くなる病気
子供が喉の不調を訴える時、その大半の原因はウィルスや細菌によって、喉に炎症が起こるためです。
大部分はウィルスによるものですが、細菌の中では合併症を引き起こす溶連菌が重要になります。
この細菌による溶連菌感染症は、子供が多く発症する病気です。しかし、子供の場合、咳や鼻水が出るといった症状はありません。
溶連菌の感染原因と感染経路とは?
溶連菌は空気中を浮遊しているため、人が集まり換気が不十分な場所に多く飛んでいます。ですから、換気が不十分になる冬場から春先までの寒い季節に、感染者も多くなるのです。
飛沫感染が主な原因になり、咳やくしゃみによってうつります。
子供は、免疫力が弱く感染を招くことが多いのですが、免疫力が落ちていれば、大人でも感染は免れません。
溶連菌感染症の潜伏期間
溶連菌の正式名称は「A群溶血性レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌)」という細菌です。潜伏期間は、2~5日程になります。
溶連菌感染症の症状と咳の関係
溶連菌の症状は、風邪と良く似ているのが特徴です。
代表的な症状は、溶連菌が喉や扁桃腺などの上気道に感染すると、次に挙げるような症状が出ます。
<溶連菌感染症の症状>
・喉が強烈に痛む
・38~40℃の発熱がある
・舌にイチゴ状のブツブツが発生する
・発熱半日~1日後、体に発疹が出来る
・頭痛や倦怠感がある
大人は頭痛や咳や鼻水の症状が出る
溶連菌感染症で、一番多い症状が急性咽頭炎です。それは、溶連菌を飛沫によって吸い込み、咽頭に付着させることによります。
咽頭が赤く腫れ上がって痛み、頭痛や腹痛も伴う風邪の症状に似ているのです。頭痛や発熱に加え咳や鼻水の症状も出ます。
このため、風邪薬などで対処すると、大人の症状は隠れてしまうことがあります。そのため、治ったと勘違いすることがあるのです。
溶連菌を近づけないための予防と治療
溶連菌の予防
溶連菌は、健康な状態の人でも菌を持っています。更に、感染力が非常に強い菌です。
家庭内や、人が多く集まる場所では、必ずマスクを着けましょう。
また、うがいや手洗いの励行を徹底することが大切です。溶連菌感染症のご家庭を訪問の際は、食器やコップなどの使用を控えましょう。
溶連菌の治療
溶連菌感染症の場合、ウィルス性の風邪と異なり、自然に完治する訳ではありません。
体の不調が「何となく風邪とは違うな」と感じたら、早めに病院で診察を受けましょう。治療方法としては、抗生物質を服用します。
服用2~3日で喉の痛みが薄れ、熱も下がって来るのです。完治するまでには、7~10日程きちんと抗生物質を飲み続けましょう。
まとめ
溶連菌感染症で大人に出る症状は、頭痛や咳など風邪に良く似たところがあり、勘違いしてしまいます。症状が軽くても、体内で秘かに菌が潜んでいるのです。
病院に行かずに、患者自身で治ったと判断すると、体内に残っていた菌が感染源になりえます。
さらに、患者自身の体にも大変な合併症の恐れが出てくるのです。抗生物質を飲み終えたら、体調が落ち着いていても再診を受けましょう。