溶連菌感染症とは、喉が痛い、ブツブツが出来る、発疹が出る、そんなイメージの病です。
しかし、嘔吐や下痢の症状を起こすこともあります。特に、嘔吐を起こしている場合、注意しなければいけないケースがあります。
ここでは、詳しい溶連菌感染症のご説明と心配される嘔吐についてもご紹介します。
溶連菌とはどんな病気?
最初に溶連菌の感染症についてご説明します。
正確には、A群β溶血清連鎖球菌に感染しておこる病を溶連菌感染症と呼びます。
溶連菌って何?これさえ読めば一気に解決!
子供に多い溶連菌
溶連菌は、小学生から中学生の学童期に多く感染する病です。
しかし、大人もかかることがあります。また、高齢者や妊娠中の方は抵抗力が弱く重症化することがあります。
よって、家族に溶連菌が発生したら感染に注意しなければいけません。
感染ルート
溶連菌の多くは、咳やくしゃみからの飛沫感染です。
しかし、皮膚感染や、細菌がついた食品からも感染します。2~4日潜伏期間があり、その後に発症します。
溶連菌の主な症状は?
溶連菌の主な症状を知っておきましょう。
次のような症状が発生したら、速やかに病院で診察を受けましょう。
- 喉が赤く腫れて痛む
- 発熱(微熱~高熱)
- イチゴ舌というブツブツの舌
- 顔や体に痒みがある発疹
- 嘔吐や下痢
上記のような症状があれば、溶連菌による感染を疑ってみましょう。
しかし、全ての症状が出ないこともあります。幼稚園や学校などの近所で流行っていないかも、参考にするとよいでしょう。
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溶連菌の治療はどうする?
検査でわかる溶連菌
溶連菌は、医療機関で検査をすることで確定出来ます。
検査は喉の細菌を培養して行われます。15分程度で結果が出るため、その日のうちに溶連菌か否かが判断されます。
参考記事⇒ 溶連菌チェックの検査キットとは?
溶連菌の有無を確認するためには検査キットが有効!
抗生物質で治療する溶連菌
溶連菌にはよく効く抗生物質があります。よって溶連菌と確定されたら、抗生物質で治療します。溶連菌は、抗生物質の服用開始から2日程度で症状が回復に向かいます。
しかし、症状が消えても抗生物質は最後まで服用しなければなりません。なぜなら、体内に溶連菌が残っていると、重篤な合併症を引き起こす可能性があるためです。
必ず薬は最後まで飲みきり、医療機関で完治したことを確認しましょう。
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嘔吐の症状が出たら注意が必要です!
最初にお話しましたが、嘔吐の症状には注意が必要です。
診断された直後の嘔吐は溶連菌に依るものであまり心配がありません。
血管性紫斑病
血管性紫斑病は、全身の細い血管が炎症を起こす血管病です。
- 嘔吐
- 関節の痛み
- 足の紫斑
- 腹痛
- 便に血が混じる
急性糸球体腎炎
急性糸球体腎炎は、糸球体という腎臓の細い血管の束が炎症する病です。
- 嘔吐
- 脱水
- 頭痛
- 倦怠感
- 口の中から出血
- 口臭
このような症状が出ることがあります。上記の2つの病は、しっかりと溶連菌を根絶していない場合に合併症となって発生することがあります。
溶連菌を発症後、暫くして嘔吐をした場合には合併症の可能性を疑ってみる必要があります。
嘔吐した後の食事は?
溶連菌感染症で嘔吐している場合は、内臓が弱っていて食欲も落ちます。そんな時でも胃に優しく喉にも刺激の少ない食事を考えましょう。
食事内容は、栄養が摂りやすいかどうかでも判断すると効率的です。
- プリン
- ヨーグルト
- ゼリー
- お粥
- スープ
嘔吐は下痢を伴うこともあります。
脱水気味になりますので、水分補給を心がけましょう。水分で菌を体外に追い出しながら、抗生物質のパワーで殺菌することが大切です。
まとめ
抗生物質の進歩により、溶連菌はひと昔前ほど恐れる病ではなくなってきています。
しかし、合併症などを引き起こさないように、最後まで完治させることが重要です。
診察を受けてしばらくしても、嘔吐が治まらない場合には、そのことを主治医に伝えましょう。
もしかすると、重大な合併症を起こしているかもしれません。