親なら誰しも、我が子の感染症が心配ではないでしょうか?
まだまだ体が未熟な年長さんから新入生までのお子さんをお持ちなら、知っておいてほしいことがあります。
それは、保育園や学校での交流が原因で感染することが多いとされる、「溶連菌感染症」についてです。
今回は、いざ感染が確認されたときに焦らないために、知っておくべきポイントをまとめることにしましょう。
溶連菌感染症とは?
溶連菌感染症の正式名称は、「溶血性連鎖球菌」と言います。「溶血」とは、感染症が原因で赤血球が壊死する状態のことです。
赤血球は、体内に酸素を送り込むための血液を支えているので、早期発見と治療が不可欠です。
この菌は、人間の喉に付着する性質があります。
人間が感染することが確認されているのは、β溶血群です。この中にもいろいろな種類がありますが、患者の多くが「A型」と診断されます。
患者がもっとも多くなるのが、風邪のリスクがアップする年末から春先にかけてとなっているのです。
さらに特徴的なのは、感染しやすいとされる年代です。一般的には、2~12歳がもっとも注意が必要だとされています。
感染方法は?
溶連菌に対するワクチンは、いまだに未開発です。
そのため、「手洗いとうがい」がもっとも有効な策となります。これは、感染方法が「飛沫」と「経口」と2種類あるためです。
飛沫感染とは?
社会活動や学校生活で、人の多い場所にいる時に、感染している人の咳やくしゃみで、菌を受け取ってしまうことです。
経口感染とは?
感染している人が、飲食物を感染した手で作った場合に起こりえます。出来上がった料理を知らずに食べて、予防策を取らないと菌が口から侵入することです。
どんな症状が溶連菌感染のサインなのか
溶連菌感染症にかかりやすいとされる年齢では、まだ免疫力がそれほど高いとは言えません。
そのため、大人よりも様々な病気のリスクが考えられます。具体的にどのような症状が現れたら、「溶連菌に感染したかもしれない」と判断できるのでしょうか?
以下のような症状が続いたら、病院で溶連菌の検査をおすすめします。
●38~39℃の高熱に突然に襲われた
●喉の激しい痛み
●体のあちこちにじんましんのような赤みが出る
●赤みが消えた皮膚の皮がむけだす
●舌に大きい口内炎ができてイチゴのような状態(イチゴ舌)
●頭痛
●腹痛
●(咳や鼻水はないのに)リンパ腺が腫れる
●激しい脱力感
このうち複数が思い当たる場合には、感染を疑ってください。症状が一般的な風邪と似ているため、軽く見てしまうこともあるので注意しましょう。
溶連菌の病院での検査について
来院したら、まずは今の状態を問診票に詳しく書くことから始まります。
その内容を確認した医師の判断で、溶連菌の検査が行われるのです。
検査の手順
菌が付着しているかもしれない喉の粘膜を、少しだけ取りだします。顕微鏡で、溶連菌の有無を確認するのです。結果は、簡易検査で15分・本格的な検査で1~2日ます。その後、正式に診断されたら、治療薬が処方されます。
溶連菌の治療薬と完治までの流れ
溶連菌感染症を治療するのには、飲み薬が用いられます。
・鎮痛剤
・抗生物質
抗生物質を併用することで、感染の原因となっている溶連菌を退治ることができます。
効果が強いので、数日で不快な症状は改善します。
しかし、服用に際しては大切なポイントがあるのです。素人判断で、「もう治ったから服用の必要はない」という考え方はとても危険です。
感染した菌をすっかり洗い流すのは、症状が落ち着いてからになります。処方された分の抗生剤を、すべて飲み切ることが重要になってくるのです。
そうでないと、危険な合併症を引き起こすこともあります。
水分補給がカギ
溶連菌は、乾燥した喉を好んで繁殖します。つねに潤いのある状態を維持して、腸内環境も整えることで、早めに菌が排泄されるのです。
まとめ
溶連菌感染症は、免疫力の弱いまま集団生活をおくる子供に多いものです。急な発熱や喉の腫れを発見したら、急いでお近くの医療機関で受診しましょう。
抗生物質を処方されただけで安心せずに、すべて飲んでいるか大人が確認することも大切です。危険な合併症のリスクがあることを忘れないようにしましょう。