溶連菌の主な特徴
溶連菌とは、「溶血性連鎖球菌」を、短く略した言葉です。
溶血性連鎖球菌による、感染症を指す場合が、ほとんどになります。これは子供が、よく冬場などに感染することで、知られている病気です。
しかし、近頃では大人でも、溶連菌に感染する場合が少なくありません。子供の場合と違って、大人には溶連菌の抗体があることが多いです。
ですが、体力が衰えている時期などは抗体が効かない場合があります。そのような場合、大人でも溶連菌に感染してしまうのです。
溶連菌に感染してしまうと、様々な症状が現われるでしょう。
具体的には、以下のような症状が出ると言われています。
・高熱
・頭痛
・咳
・発疹、湿疹
・手足の皮膚が剥ける
・リンパ節の腫れ
・関節痛
・下痢
・腹痛
・嘔吐
このように、症状を見ただけでは、普通の風邪と間違えやすいのが、特徴です。普通の風邪とは異なり、咳や鼻水などは、ほとんど出ません。
しかし、溶連菌だけでなく、別に風邪にも罹っている、というような場合もあるでしょう。そのような場合、溶連菌と風邪、それぞれの症状が現われます。
ですから、単純に症状だけで自己診断をすることは危険です。必ず、病院を受診して、溶連菌なのか風邪なのか、検査してもらいましょう。
大人が溶連菌に罹る時
特に、身近な方で溶連菌に感染された方がいる場合、注意が必要です。子供が溶連菌に感染した場合、兄弟の「50%が感染する」とされています。
抵抗力のある親の場合でも、「20%」は感染するでしょう。
子供と違う点は、大人の多くに溶連菌に対する抵抗力があることです。そのため、薬などを飲まなくても、自然治癒することがあります。
しかし、症状が治まったからといって、溶連菌がいなくなったとは限りません。症状は出なくても、溶連菌を持っている状態があるからです。
種類にもよりますが、溶連菌自体は、希少な細菌ではありません。普通に、人間の体内に常在している細菌なのです。
特に、腸内に多く存在しているとされています。それらの溶連菌の中で、人に対して悪さを働く種類があるのです。
溶連菌のさらなる感染を防ぐ
溶連菌の潜伏期間は、2日から一週間程度と言われています。薬を飲んで症状が治まっても、体内の溶連菌が全滅するまで、油断は禁物です。
処方された薬は、指示通りに最後まで飲み切りましょう。
途中で良くなったと思って服薬を止めるのは、問題があります。知らないうちに周囲への、溶連菌の感染源となってしまうかもしれないからです。
特に、子供や妊婦、老人と接する際には、十分、気をつけましょう。第三者への感染を防ぐためにも、マスクの着用は効果的です。
また、積極的な手洗いや、うがいなども欠かせません。
大人の溶連菌は、自然治癒する場合もありますが、再発の可能性も少なくありません。何度も繰り返して、溶連菌に感染する例もあるでしょう。
溶連菌自体の症状自体は、決して深刻なものではありません。それにも関わらず、注意しなければならない理由は、恐ろしい合併症があるからです。
溶連菌は自然治癒に頼ると危険
溶連菌が原因になる合併症には、深刻なものが珍しくありません。場合によっては、入院が必要となることもあるでしょう。
特に、リウマチ熱や急性糸球体腎炎、猩紅熱(しょうこうねつ)などには、注意が欠かせません。
時には、生命にも関わるほどの重篤な合併症を招くことさえ、あるのです。
どんな病気の場合でも、症状が軽度だからと甘く考えてはいけません。
正しい知識を持ってキチンと対処しないと被害が拡大します。もちろん、溶連菌も決して例外ではないのです。
確かに、少し寝てれば症状が軽くなる場合もあるでしょう。人間の身体には、優れた自然治癒力が備わっています。
それでも、適切な対処を怠るわけにはいきません。
まとめ
感染症は、症状が出ない場合でも感染を広げないように注意するべきです。溶連菌が疑われる症状が見られたら速やかに病院へ行きましょう。
専門家である医師の判断を仰ぎ、適切な処置を行ないます。
大人の溶連菌だからなどと軽く思わずに、しっかり治療に専念しましょう。