溶連菌感染症は、子どもがよく罹患する病気として知られています。
しかし、大人でも感染することをご存じでしょうか?
ここでは、溶連菌感染症を詳しくご説明すると同時に、大人に感染した時の症状や注意点をまとめています。
溶連菌感染症とは?
初めに、溶連菌感染症の正しい基礎知識をまとめました。
溶連菌感染症について
溶連菌感染症は“A群β溶血性連鎖球菌”という菌に感染することです。5~15歳の学童期の子どもが罹ることが多い感染症です。
しかし、大人でも感染することがあります。
くしゃみや鼻水による飛沫感染と、溶連菌がついた食べ物でも感染します。因みに、インフルエンザのような予防接種はありません。
溶連菌感染症の症状は?
・喉の痛み
・発熱
・イチゴ舌(舌がイチゴのようのブツブツしている)
・手足に発疹(回復期に皮が剥ける)
・嘔吐
・倦怠感
上記が代表的な症状ですが、全ての症状が出ないこともあります。
溶連菌感染症の治療は?
溶連菌感染症には抗生物質がよく効きます。抗生物質は1週間~10日間ほど服用します。
服用を始めると1日~2日で症状がかなり緩和されてきます。
しかし、溶連菌感染症の治療は、抗生物質を最後まで服用することが大切です。
溶連菌感染症は大人でもかかる?
溶連菌感染症の兄弟間の感染率は約50%です。そして、親子間では約20%と言われています。
つまり、溶連菌感染症に罹った人と接触する人は、誰でも感染する可能性を考えておかなくてはいけません。
大人の場合、身体の免疫力が弱っていると感染する可能性はさらに高くなります。
よって、高齢者や妊娠している方は、より感染に注意をする必要があるのです。
大人が溶連菌感染症に感染したら?
では、大人が感染した場合はどのような症状が出るのでしょうか?
下記では大人が溶連菌感染症に感染した場合の、症状が重い場合、軽い場合を挙げています。
症状が強い大人の溶連菌感染症
・高熱
・喉の痛み
熱は40度近い高熱に至ることがあります。
また、喉の痛みも焼けるような強い痛みを発生することがあります。
症状が弱い大人の溶連菌感染症
・頭痛
・微熱
・喉の痛み
・咳
症状が軽い場合、ただの風邪と見過ごすことがあります。
大人の溶連菌感染症の場合、強い症状が出ると病院に行くことになるので安心です。
しかし、問題は軽い症状の場合、風邪だと勘違いをして済ませてしまうことです。症状が軽くても溶連菌に感染していれば、他の人に菌を広げてしまう可能性があります。
また、溶連菌感染症から起こる合併症を発生する可能性も出てきます。
溶連菌感染症の合併症について
溶連菌感染症は、治療でしっかり根絶させないと、後に合併症を発生させる恐れがあります。
溶連菌感染症の合併症
〈リウマチ熱〉
関節が炎症し、発熱します。稀に、心臓弁膜症など重篤な状態になることがあります。
〈急性糸球体腎炎〉
体が腫れて、血尿が出ることもあります。腎不全のような症状が現れます。
心臓や腎臓という大切な臓器に関わる合併症です。ですから、溶連菌感染症の段階でしっかり完治させることが大切です。
よって、医師の指示を守り、抗生物質は最後まで飲み切りましょう。
溶連菌感染症、家族間の感染防止で注意すること
溶連菌感染症に家族が罹ったら、感染しないように気をつけて生活することが必要です。
感染予防の工夫
・うがい
・手洗い
・同じコップやタオルの使用禁止
・大皿料理の直箸禁止
・マスクの着用
上記のような生活の工夫で感染を極力防ぐことが出来ます。ちなみに、溶連菌感染症の潜伏期間は2~5日です。
まとめ
このように溶連菌感染症は、大人にも感染します。しかし、大人の場合は免疫力がしっかり働いていると、感染する危険はかなり低くなると言われています。
家族が感染しても慌てることがないように、普段から睡眠や食事で免疫力を高めておくことも大切だと言えます。