現代の日本は、昔よりもとても清潔に保たれていると言われています。そのため、天然痘や日本脳炎と言った、少し前まで恐ろしかった感染症の症例もほとんどありません。
その一方で、感染症が多かった時よりも子供の体が弱くなっているという説もあるのです。つねに、環境に順応する体は清潔であればあるほど、免疫力が低下しやすくなります。
その結果、体質的にアレルギーに悩まされる子供が増えているという統計もあります。皮膚病や食物アレルギーなど、その症状も様々です。
診察が難しい?溶連菌感染症
そんな中で、体の弱い子供を持った大人の間で、神経質になる感染症があります。それは、疲労や寒さなどで免疫力が落ちている時にかかりやすいとされる溶連菌感染症です。
この感染症は、喉の粘膜を狙い撃ちする溶連菌と言う菌が、原因となっています。そのために、数日間の潜伏期間を経ていろいろな部分に炎症を起こさせるのです。
具体的な症状
・高熱
・喉の腫れ
・皮膚炎(じんましんを含む)
・舌の腫れ(イチゴのように腫れるのでイチゴ舌と呼ぶ)
・リンパ腺が腫れる
・口内炎
これらの症状で、病院を訪れても専門家でも判断に困るとされています。それほど慎重な検査と見解が必要になるのが溶連菌感染症の難しいところです。
菌が体内に存在していることが、簡易検査で判明すれば治療を開始できます。
しかし、免疫力が低下して感染しているので、風邪を併発している可能性もあるのです。
症状の一つに目ヤニもある?
溶連菌感染症の代表的な症状は、上記で記したとおりです。当然のことですが、体質や生活習慣によって、どの症状が強く出るかは個人差があります。
人によっては、皮膚トラブルがあらゆる部分に現れることがあるのです。その一つが、目のトラブルである目ヤニです。
皮膚の粘膜にまで広がった溶連菌が、目に飛び火するのです。よって、目ヤニに悩まされ苦しむことがあります。
同じ溶連菌感染症でも、熱もあまり高くなく、イチゴ舌も起きないこともまれにあります。これがまた厄介なのです。
無自覚で感染のリスクがアップ
感染している自覚がない状態で、目ヤニだけを何とかしようとしてしまうことになります。病院に行くにしても、溶連菌の検査ができる総合病院ではなく、眼科を選ぶでしょう。
その間に、溶連菌の体内での潜伏期間が過ぎてしまうのです。
先ほど述べたように、医者にも判断が難しいのが溶連菌感染症です。ましてや、専門分野でなければなおさらでしょう。
感染者も医者も、炎症を風邪の症状だと誤解することがあります。ものもらいを治療する目薬などの治療薬だけで処方が完了するかもしれません。
集団行動で感染力アップ
ものもらいは、細菌が付着することで起こるまぶたの吹き出物のようなものです。そのため、集団行動を控えるために学校や会社などの出席停止の手続きはとられません。
これにより、感染する範囲がどんどん拡大するのです。
溶連菌感染症の感染ルートは、飛沫感染と接触感染の2種類だとされています。いずれも他者との関わりが多くなるほど感染の可能性は高まるのです。
免疫力がしっかりとついていない子供は、より慎重に大人が体調管理する必要があります。家族内に一人感染者がいれば、大人であっても予防策を取らないと感染することもあるのです。
まとめ
溶連菌感染症は、子育てが忙しい親御さんが用心しなければなりません。大人のネットワークで、いろいろな情報を得ることがあるでしょう。
しかし、代表的な症状は理解していても、目ヤニについてはどうですか?
ものもらいのように感じる目ヤニが、溶連菌感染症の症状であることがあります。その他の症状も踏まえて、総合病院で検査を受けたほうが安心です。