感染症には抗生物質を使おう
溶血性連鎖球菌感染症、いわゆる溶連菌の治療には、主に抗生物質が用いられます。溶連菌は、細菌による感染症なので、抗生物質による殺菌が必要です。
特に、A群溶血性連鎖球菌による感染症の場合、合併症が心配されます。リウマチ熱や腎炎、猩紅熱など、深刻な合併症の危険が少なくありません。
このような合併症を予防するためにも、抗生物質が使用されるのです。
溶連菌の治療には、主に、ペニシリン系の抗生物質を用いる場合が多いでしょう。
しかし、人によってはペニシリン系の抗生物質が合わないことがあります。時には、ペニシリンショックという症状に至る危険性もあるのです。
そのような場合に、選択される抗生物質として、セフェム系のものがあります。
セフェム系の抗生物質の中でも、よく用いられているのが「メイアクト」です。
正式な名称としては、セフジトレンと呼ばれる抗生物質になります。
第三世代セフェムと、呼ばれる場合もあるでしょう。
メイアクトのメリット
アレルギーを起こす確率が低い
ペニシリン系の抗生物質と比較して、アレルギーを起こす確率が低いと、されています。
副作用なども少なく、安全面でも優れていると言えるでしょう。
服用がしやすい
ペニシリン系の抗生物質との違いに、服用のしやすさが挙げられます。独特の風味を持っているのが、ペニシリン系の抗生物質の特徴です。
ペニシリン系は慣れるまでは、服用するのが少し難しいかもしれません。
多少飲み忘れなどがあっても大丈夫
また、ペニシリン系の抗生物質の場合、キチンとした服用が求められます。決められた時間に、処方通り服用することが、欠かせません。
一方、メイアクトの場合は多少飲み忘れなどがあっても作用すると言われています。
人によっては一日三回の服用が難しい場合もあるでしょう。
抗生物質は決められた回数の服用を守ることで、その効果を発揮します。
必ずしも、食事の後に服用する必要はありません。体内での濃度を維持するために、時間が来たら欠かさず飲みましょう。
空腹の状態で服用しても、何の問題もありません。
服用期間が短い
服用期間が比較的、短くて済むのも、メイアクトの特徴です。
ペニシリン系の抗生物質の、およそ半分くらいの期間で、大丈夫でしょう。早急に、溶連菌を退治したい方には、オススメです。
メイアクトのデメリット
メイアクトには、多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあります。比較的、新しく開発された薬であるために、合併症に対しての効果が不明です。
そもそも、合併症自体の発症が少ないため、確認されてない面が少なくありません。
以前に、セフェム系の薬剤でアレルギーが起きた方は服用禁止です。
ペニシリン系と比較して少し薬価が高いのもデメリットと考えられるでしょう。
また、溶連菌が流行している時期は、一度治ったとしても再度、感染する場合もあります。再度、感染した場合は、抗生物質を追加で処方されるでしょう。
抗生物質の注意点
抗生物質全体の特徴として、耐性菌の発生に気をつけることが大事です。
長期間、服用していると抗生物質に耐性を持った菌ができてしまいます。耐性菌が生じると、抗生物質を服用しても効かなくなってしまうのです。
そのような場合には、耐性菌の出ていない抗生物質を試してみることになります。
このように、抗生物質の服用は、意外に難しいものといえるでしょう。ですから、自己判断で減薬したり服薬を中断したりするのは問題です。
実際には、メイアクトを服用することで、広い種類の感染症に効果があります。
溶連菌だけに効くわけではないので、診断が確定していない時でも処方される場合があるでしょう。
抗生物質は、特定の細菌にだけ効果を発揮するものではありません。細菌を退治するための仕組みは、ほとんど一緒です。
病気の原因となる細菌の細胞壁を破壊して退治します。
まとめ
もちろん、体質や病気の種類によっても抗生物質の選択は変わるでしょう。服用している抗生物質で、不明な点があれば医師や薬剤師に訊ねるのが大事です。
薬に対する不安を解消することも、万全の効果を発揮させるためには欠かせません。
しっかり、説明を受けて上手に溶連菌を治療しましょう。