唾を飲み込んだら耳が痛いので心配になったことはありませんか?
わたしも、先日唾をのんだら耳の奥が痛いので「子どもの時以来の中耳炎にでもなったのか」と心配になりました。
でも調べて見ると、耳の痛みを感じるのに耳には異常が無く、扁桃炎でした。
痛いのは耳だけど、喉の病気だということがあるのですね。
耳の病気ではないのに、唾を飲むと耳が痛くなる・・・そんなときのことをまとめていきましょう。
唾を飲むと耳が痛くなるとき
扁桃炎(へんとうえん)
扁桃炎になると、喉の奥歯近くの部分が痛みますし、唾を飲み込んだときの刺激で耳の奥が痛むことがあります。
この場合には、喉の痛みも一緒にでているハズですし、熱が出ることも多いですから、病院にかかってゆっくり休んだ方が良いですね。
喉と耳は奥でつながっていますから、現在耳に異常が無くても、中耳炎を起こす可能性がありますから、鼻を強くかまない、栄養と休養をしっかり取ることを気をつけてくださいね。
睡眠不足や低栄養だと、抵抗力が低下して、中耳炎を起こしやすくなります。
インフルエンザで耳の痛みは出る?
インフルエンザの場合、だるさや急な発熱が特徴と言われますが、熱が上がりきったあたりから鼻水や喉の痛みといった風邪症状が強くなってきます。
インフルエンザそのものが耳の痛みを引き起こすと言うよりも、喉の痛みの”放散痛”として耳に響く、中耳炎が起こって耳に痛みが出ていることが考えられます。
喉の痛みは、風邪症状を抑えるクスリで自然に回復しますが、中耳炎は抗生剤が必要になることがあり、完治に時間がかかります。
鼻の症状が強くて、鼻をかむ回数が多かったという場合には、鼻と耳に圧力がかかり、中耳炎を起こしやすくなります。
インフルエンザにかかった時にも、ツライ風邪症状が出てきますから、風邪の時と同じように静かに片方ずつ鼻をかみましょう。
ツバを飲むとき以外にもズキンと耳が痛むようなら、耳鼻科を受診しましょう。
顎関節症(がくかんせつしょう)
顎の関節に問題が起きて痛みが出るのが顎関節症です。
歯を食いしばりすぎた、堅いものを食べた、楽器を吹いたなど、顎や口の周りの筋肉を酷使したり、ストレスを受けたときにおきやすい病気です。
顎の関節の痛みが、唾を飲み込むときに耳の奥の痛みとして感じられる事があります。
風邪症状がないのに、耳が痛むときに当てはまる状況がないかチェックして見ましょう。
顎関節症の症状についての解説動画です。
虫歯
歯の表面をみて大きな虫歯がなくても、歯の根や土台に影響を与えるような炎症を起こしている事があります。
風邪症状がないのに唾を飲み込むときに耳に痛みが出るのは、虫歯が原因の場合があります。
唾を飲み込む時というのは、喉から耳にかけての筋肉が大きく動くので、耳の痛みとして感じられることがあるのです。
亜急性甲状腺炎(あきゅうせい こうじょうせんえん)
亜急性というのは、急性と慢性の中間という意味です。
1ヶ月~3ヶ月くらいかけて徐々に炎症が進み、喉の全面の甲状腺にしこりが触れることがあり、押すと痛みを感じる病気です。
唾を飲み込むと大きく喉の周りの筋肉が動くので、耳の痛みとして感じられることがあります。
喉を押して痛みが出る病気についてはコチラの記事で取り上げています。
下喉頭がん
首の周りから頭にかけて、たくさんの神経が走っているので、喉の痛みを耳の奥の痛みと感じるケースがあります。
下咽頭にがんが出来ると、飲み込むときに違和感を感じたり、耳の奥に痛みを感じることがあります。
がん全体の3%ほどと、発症率は高くありませんが、高リスク群の場合には注意が必要です。
- タバコを吸う
- 声を酷使する
- 不規則な生活をしている
唾を飲んで耳が痛い時のチェックポイント
<その1>
- 熱があるか
- 風邪症状があるか
熱や、風邪症状が当てはまれば、扁桃炎の可能性が高いですね。
喉が腫れていないか見てみましょう。
<その2>
- 黙っていてもズキッとすることがある
- 鼻水を強くかんでいた
風邪やインフルエンザからの中耳炎が疑われます。
<その3>
- 2、3日で急に現れた
- 噛むのがつらい
顎の関節、虫歯に原因がありそうです。
<その4>
- ジワジワ現れしつこく続いている
- だるさ、動悸、多汗がある
- 30~50代女性
亜急性甲状腺炎が疑われます。
<その5>
- 数ヶ月間の間にだんだん強くなっている
- 血痰が出る
- 声がれが気になる状態が続いている
下咽頭がんが疑われます。
唾を飲んで耳が痛い時に、中耳炎や扁桃炎だと決めつけずに他の症状とあわせてチェックして見ましょう。
確率としては低いものの、下咽頭がんで耳に痛みが起きるケースがありますから、違和感が続く時には病院で診断を受けましょう。
突然の痛みよりも、少しずつ痛みが強くなるケースが多いのが特徴です。
喉からの放散痛が出る仕組み
出典:Wikipedia 『三叉神経』
ツバを飲むと耳が痛い場合、耳の病気以外に、喉の痛み、顎の痛み、歯の痛みの放散痛が考えられます。
迷走神経・三叉神経といったそれぞれ場所の痛みを感じる神経が近くにあるので、放散痛として耳の奥が痛いと感じるのです。
神経の混線で、痛みの出所をを錯覚してしまうのです。
風邪・インフルエンザに代表される感染症では、急激に症状が現れることが特徴です。
それに対して、3ヶ月以上の長い期間をかけてジワジワと強くなっていく場合には、顎関節症、歯の痛み、甲状腺や下咽頭がんの疑いが出てきます。
いずれの痛みでも、耳そのものの痛みではないのに、神経の混線~放散痛で耳が痛むのです。
ツバを飲んで耳が痛むという事で、喉の筋肉の動きで痛みを感じる可能性がある場所に痛みが出ます。
まとめ
耳の奥の痛みは、喉や顎、歯の異常で起こる事があります
耳の痛みを感じても、原因が、耳ではないことがあるのですね。
風邪症状が出ているなら、扁桃炎のことが多いですが、それ以外にも喉や歯、顎の異常でも耳に痛みが出ることがあると覚えておくと対処しやすいですね。
耳鼻科ではなく、歯科にかかった方が良い場合がありそうです。
また、長めの期間でジワジワ痛みが出てくる時にも注意した方がよいですから、心配な時には、病院で見てもらう様にしたいですね。