直腸性便秘は、スーパー便秘とよばれるほど頑固な便秘になりやすいタイプです。
食物繊維をたくさん食べてもスッキリしないし、出し切った感じがないのに、踏ん張っても出ない・・・。
こうなったら便秘薬に頼るしかないのでしょうか?
手強い直腸性便秘の解消法についてまとめていきましょう。
わたしの便秘は直腸性便秘?
まずは、直腸性便秘に当てはまるかチェック項目を見ていきましょう。
便意はあるのに踏ん張っても出ない
いきんでも出ない事が多いので、トイレに長時間こもりがち。
毎日出してスッキリしたいのに、お腹が張っている感じに・・・
お腹の圧力が上手く伝わらなかったり、肛門の周りが緊張しているのかもしれませんね。
根菜を食べてもスルリと出ない
食生活から便秘解消しようと根菜やサラダを食べているのに、いつも詰まりがち。
野菜を食べているのに便秘になるなんてどうしたら良いの?
便秘薬を飲んでも、つまっている、張っている不快感が解消されません。
やっと出ても便がカチカチ
何をしても便が硬く、排便するのに苦労していませんか?
コロコロ便と言うより、大きさがあっておしりが切れそうになることも・・・。
食事や水分に気をつけても、硬い事が多いのが直腸性便秘の特徴です。
便意をガマンする事が多い
決まった時間にトイレに行けないと、便意を感じにくくなり便秘になります。
腸の中にとどまる時間が長いと、便の水分が失われて、硬く排便しにくくなります。
便秘薬を使っても慢性的に便秘が続く
直腸性便秘の場合、便秘薬を使って腸の活動を活発にしても、出口の直腸が上手く働いてくれないので、苦しい思いをする場合があります。
一般に、刺激性の便秘薬は寝る前に飲んで朝効くタイプが多いですが、先で詰まっているので、効果が出にくくお腹が痛くなってしまいます。
直腸性便秘になってしまう原因は?
直腸に圧がかかるとポケットが・・・
女性は直腸に膣が接していて、お腹の圧力が高くなったときに直腸がポケット状に膨らんでしまう事があります。
脇道にかくれたようになって、排便がスムーズに行かずカチカチになりやすいのです。
骨盤底筋・肛門括約筋の緊張(アニスムス)
排便に関わる筋肉が、力んだときに緊張して排便しにくくなっている事があります。
出口の筋肉が上手く使えない便秘ですから、食物繊維のとり過ぎや、便秘薬で悪化することがあるので、注意が必要です。
直腸性便秘の改善方法は?
トイレでの体勢を守って3分で勝負!
- すこし前傾姿勢
- かかとをあげる
- 腹筋だけに力が伝わるようにする
トイレに腰掛けたとき、太ももにヒジを載せてやや前屈みにスタンバイすると、排便しやすい直腸の角度になります。
腰に手を当てて咳をしたときに動く筋肉が、排便の時に使いたい筋肉です。
踏ん張りすぎて、骨盤底筋や、肛門の括約筋までが緊張してしまうと、出口をふさぐことになり、便が出にくくなります。
出口が詰まったまま踏ん張り続けると、直腸内にポケットができたり、変形する原因になります。
トイレの習慣を見直してみましょう!
骨盤底筋を鍛える
骨盤底筋を鍛えて、直腸の落ち込みを防ぐ事で便秘を防ぎましょう。
<骨盤底筋を整える①>
椅子に背筋を伸ばして座り、肋骨に手をあてます。
ゆっくり息を吐きながら、手を前にクロスするようにのばしていきます。
<骨盤底筋を整える②>
タオルをおいて座り、おしりの骨でグッとタオルを挟み込むようにします。
食物繊維よりオリーブオイル
”便秘解消法=食物繊維をたっぷり摂る”が常識ですが、直腸性便秘ではむしろ控えてみましょう。
食物繊維を意識するなら、ネバネバ食材や海藻に多い水溶性食物繊維にした方が、排便をたすけてくれます。
大渋滞を起こしている時に、さらにかさ増し食材を投入したら、行き場がなくなり、直腸の変形が進みます。
『便の滑りを良くするオリーブオイルをスプーン2杯飲む』ほうが、便の排出を助けます。
下剤に頼らない
下剤成分は、大腸に刺激を与えて排便をうながします。
出口の方で渋滞を起こしているので、下剤を飲むことで吐き気が出たり気持ち悪くなってしまったり、腹痛を起こすことがあります。
薬による刺激になれてしまうと、正常な反射が起こりにくくなるので、悪化する原因になります。
病院ではどんな治療をする?
トイレ習慣の見直しや、骨盤底筋や肛門のエクササイズをしても改善しない場合には、病院で治療しましょう。
<バイオフィードバック法>
特殊なバルーンを直腸に入れて、排出する練習をします。
効果の早い人では、1回の治療で効果が出るといいます。
<恥骨直腸筋縫合術>
恥骨直腸筋を縫い合わせて、直腸瘤を解消・予防します。
膣側に直腸瘤が出来てしまうケースが多いので、女性の直腸瘤による直腸性便秘に効果的な手術です。
まとめ
便秘解消の対策で効果が出ないときは直腸性便秘かもしれません
○不溶性食物繊維をとりすぎない
○トイレ習慣を見直す
○便意をガマンしたり、下剤に頼るのはNG
○オリーブオイルを大さじ2杯ほど飲む
○骨盤底筋を鍛える
セルフケアをしても改善しないときには、病院で相談してみましょう。