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増粘多糖類は添加物表示として、原材料名で見かけます。
とろみをつける多糖類という事ですが、人工的な物なのか、天然の物なのかわかりにくいですね。
ジャム、アイスクリーム、ドレッシング、冷凍食品やレトルト食品といろいろな加工品に利用されていますね。
実は、増粘多糖類とまとめてよんでいますが、何種類もあり、原材料もそれぞれなのです。
では、どんな原材料から作られているのか、危険性はないのかまとめていきましょう。
添加物の危険性については、コチラの記事でも取り上げています。
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良く使われている増粘多糖類
アルギン酸
・原料:コンブ、オオウキモなどの褐藻類(海藻)
・使われているもの:ゼリー、ジャム、アイスクリーム、プリン、ドレッシング ほか
アルカリ処理をして、アルギン酸を抽出している。カルボキシメチルセルロースナトリウム
・原料:針葉樹(北欧樹:えぞ松・とど松・もみなど)
・使われているもの:シャーベット、アイスクリーム、ソース、めん類 ほか
水酸化ナトリウムで処理するなどして、植物繊維のセルロースを抽出している。
カラギナン(カラギーナン)
・原料:イバラノリ、キリンサイ、ギンナンソウ、スギノリなどの紅藻類(海藻)
・使われているもの:ゼリー、ジャム、アイスクリーム、プリン、ドレッシング ほか水で抽出している。ガラクトース、アンヒドロガラクトースなどの糖類を含んでいる。
キサンタンガム
・原料:トウモロコシなどのでんぷんをキサントモナス(グラム陰性細菌)で発酵したもの。
・使われるもの:たれ、ドレッシング、つくだ煮、漬け物、冷凍食品、レトルト食品 など
発酵物から分離させてキサンタンガムを製造します。主にグルコース、マンノース、グルクロン酸などの糖類を含んでいる。
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グアーガム(グアガム)
出典:Wikipedia(クラスタ豆=グァー豆)
・原料:グァーの種子(マメ科の植物)
- ・使われるもの:ドレッシング、ソース、アイスクリーム、インスタント麵 など
- 胚乳部分をくだいて、水(お湯)を使って抽出します。ガラクトマンナンが主成分。
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ペクチン
・原料:かんきつ類(みかん、オレンジなど)やリンゴ
・使われているもの:ジャム、ゼリー、アイスクリーム など
水(お湯)や、酸性水溶液を使って抽出します。メチル化ポリガラクチュロン酸等が主成分。
手作りのマーマレードジャムのとろみは、ペクチンによるもの。
増粘多糖類の危険性はどこにある?
天然の原料から植物性の繊維をとりだした物が多いことがわかりますね。
危険性をあげるなら・・・
過剰摂取による害
加工食品には、増粘多糖類がかなりの確率で使われています。
食物繊維のかたまりなので、とりすぎるとお腹がゆるくなることがあります。
ラットへの動物実験で、カラギナンが潰瘍を作るのではと心配されましたが、ヒトとは持っている消化酵素が違うので参考にならないとして、危険性は否定されました。
増粘多糖類として表示義務があり、添加物とよばれていますが、天然の食品に近い安全性があるといえます。
原材料の管理への不安
増粘多糖類を”添加物”として怖がるよりも、原料が外国産に頼っている場合の、農薬や遺伝子組み合えの情報がわからないことでリスクを受ける事の方が心配です。
遺伝子組み換え作物ってどうよ?
https://www.youtube.com/watch?v=YUs6rWEuHOs
まとめ
増粘多糖類の危険性は、原料の安全性と摂取の仕方のチェックから!
添加物と聞いただけで拒否反応を起こす人もいますが、天然の材料から抽出された物質でも、添加物として扱われています。
”増粘多糖類”とは、天然多糖類を2種類以上使用した時の簡略名なのです。
カンタンにとろみを付けたり、食品を安定させたり出来る増粘多糖類は”添加物だからキケンだ!”と決めつける事は出来ません。
むしろ、産地や遺伝子組み換えの有無の方が心配かもしれません。
出来るだけ体にやさしい、自然な物を食べたいという思いと、新しい食感や、見た目の良さや便利さのバランスを考えて、選んでいきたいですね。