筋肉痛のような痛みは「病院に行かなくては!」という判断を鈍らせがち。
でも、本当に筋肉痛だったら恥ずかしいから病院へ行くのはもう少し様子を見てから…なんて言っていると、取り返しの付かない事になってしまうかもしれませんよ。
あなたの痛みの原因、知りたくありませんか?
今回は、筋肉痛のような痛みが出るお腹の疾患をご紹介します。
お腹に筋肉痛のような痛みが出る原因は?
これからご紹介する「お腹に筋肉痛のような痛みを感じる疾患」は、緊急性があり、かつ症状が似ているので勘違いされる事が度々あります。
ふたつの疾患を見分けるポイントも併せてご紹介しますので、あなたの症状に当てはまるかどうかチェックしてみて下さいね。
虫垂炎
虫垂炎(ちゅうすいえん)とは
一般的に「盲腸」と呼ばれている疾患です。
虫垂に化膿性の炎症が起こります。
虫垂炎の症状
虫垂炎と言えば、お腹の右下が痛くなるイメージがありますよね。
でも実は、虫垂炎の初期症状はみぞおちの痛み。
「お腹まわりに筋肉痛のような痛みを感じる」と表現する人もいます。
痛みの場所が、中央から徐々にお腹の右下へ移動していくのが特徴です。
■その他の症状
- 吐き気、嘔吐
- 食欲不振
- 発熱(37~38℃)
- 押してパッと手を放すと、押さえていた時より強い痛みが出る(反跳痛)
大腸憩室炎
大腸憩室炎(けいしつえん)とは
大腸憩室炎は、大腸憩室に便のつまりなどが生じ、細菌が繁殖して炎症が起こる疾患です。
大腸憩室炎の症状
盲腸と特徴が似ています。
炎症が起きる憩室の場所により、盲腸と同じく右腹部が痛む事も多くあります。
初期症状がみぞおちの筋肉痛のような痛みである事も共通しています。
- 胃から腸にかけての痛み
- 押してパッと手を放すと、押さえていた時より強い痛みが出る(反跳痛)
- お腹の張り(膨満感)
- 便秘
- 下痢
- 発熱
- 血便
★虫垂炎と大腸憩室炎の見分け方
特徴が似ている虫垂炎と大腸憩室炎ですが、大きな違いは吐き気・嘔吐の有無。
大腸憩室炎は食欲低下や吐き気・嘔吐は通常認められないと言われています。
お腹に筋肉痛のような痛みが出る婦人科系疾患
お腹に出る筋肉痛のような痛みは、女性特有の疾患にも多くみられます。
子宮筋腫
子宮筋腫とは
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。
女性ホルモン(エストロゲン)のはたらきによって発育します。
閉経後には筋腫の発生はなく、すでにある筋腫も縮小します。
子宮筋腫には3つのタイプがあります。
- 粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)…内側の子宮内膜に向かって発育したもの
- 筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)…筋層のなかで発育したもの
- 漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)…子宮の外側に向かって発育したもの
子宮筋腫の症状
子宮筋腫の症状は、筋腫のタイプや腫瘍の大きさによっても異なります。
腫瘍がかなり大きくなっても自覚症状のない場合もありますが、お腹に力を入れた時などに筋肉痛のような痛みを感じるケースもあります。
代表的な症状は経血量が多くなること(レバー状の塊が出る)と月経痛です。
ガチな話で、生理痛はほぼなかったけど、経血の量が半端なくて、めっちゃお気楽に受診したら、子宮筋腫が10cm大で手術になったよ。血液検査したら、輸血直前の貧血になってたという。徐々に血が減ってるから身体が対応しちゃってて、「疲れやすいのは太ったせいか」と思ってた次第です>RT
— ふじこ (@fujiya178) 2016年10月18日
その他に、
- 月経以外の出血
- 腰痛
- 頻尿(トイレが近い)
などの症状が出る事があります。
繰り返して言うね!28日周期ぴったり順調、生理痛も重くない(1回痛み止め飲む程度)、ここが一番大事なんだけど…経血量が特に多くなくても腹の中に15cm以上の特大子宮筋腫ができていたりしますよーーーーー!!!!!!検診に!!!行こう!!!!!!
— †┏┛へるこし┗┓† (@hellco4) 2016年11月22日
子宮の外側に向かって筋腫が発育すると、大きくなっても症状が出にくい傾向にあります。
定期的に検診を受ける事が大切です。
卵巣がん
卵巣がんとは
卵巣がんは、卵巣に出来る悪性腫瘍のことです。
卵巣がんの症状
卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれるもののひとつ。
卵巣が腫れていても、かなり大きくなるまで無症状である事が多くあり、腫瘍の早期発見が難しいことで知られています。
大きくなってくると腹部の腫大が起こり、筋肉痛のような痛みを感じることも。
卵巣腫瘍の重みで卵巣を支えている靭帯が捻れたり(卵巣腫瘍茎捻転)、卵巣が破裂したりすることがあり、この場合は激痛を伴います。
「検診」の大切さ
突然ですが、あなたは「健康診断」受けていますか?
健診は、病気の種はないか、病気になっていないかを調べる大切なものです。
学校や職場の案内で、年に一度など定期的に受けている人も多いですよね。
さて、「健診」も大切ですが、もうひとつ大切なものがあります。
それは「検診」です。
「検診」は特定の病気を早期に発見したりと、「調べる目的のある検査」を指します。
今回ご紹介した子宮筋腫や卵巣がんも早期発見するには検診を受ける必要があります。
もっとも有効なのは、年に一度の子宮がん検診の際に、一緒にチェックすることです。
経膣超音波検査で子宮筋腫、卵巣がん共に発見する事が出来ます。
まとめ
お腹の筋肉痛のような痛みが、思わぬ病気に繋がっている事は、お分かり頂けたでしょうか。
もし少しでも自覚症状があるのであれば、一度医療機関へかかってみて下さい。
自覚症状をスルーしないこと、定期的に検診を受けることが大切です。
日頃から体の状態に気を配って、健康に過ごしたいですね。